年に一度の舞踏会

夢みる女の子を探して
町中、帽子屋の床を掃く
きみを見つけた


「王子様に会いたくないかい?」

「いいえ、別に。興味ないわ。」


継ぎはぎだらけの服を着て仕事をしてた


それでも僕は与えられた使命を
果たさなくちゃいけない

だから何度も声をかけた

それなのにきみは

「そうね。そんなことより、貴方とお茶がしたい。」と

驚く僕に笑いかけた


シンデレラ
僕はきみに恋をした
許されるものではないと理解ってはいるんだ


ただ手伝うだけの魔法使いの望みなど
誰かに届くはずもなくそっと心に閉じ込める


年に一度の舞踏会

それはもう今夜に迫って
ケーキを一口食べた

「もう最後の日か。」

と言った


キラキラ光る窓の外


「迎えの馬車を用意した。
だから、彼に会いに行って。」


情けない顔で
笑い、ドレスを出した


「貴方はそれでいいの?」

「……もちろん。」なんて


嘘をついた


シンデレラ
僕はきみを幸せにするために創られたから
物語通りに言う


「ガラスの靴を履いてから、夜12時までの魔法です。
鐘が鳴り終わるまでにはここに帰ってきなさい。」



終焉を告げた音で
僕の身体は大きな獣になる
もうきみには会えないと哭いた

それなのにきみはガラスの靴を片手に


「貴方に、履かせてほしい。」と


息を切らして戻ってきた



シンデレラ
野獣は人間に恋をした
ふたりは“運命”を捨てて“愛”の手をとった


本当は重ならない僕らの未来は歪んだ
それは確かにここに在る

シンデレラの物語

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

シンデレラ

これもひとつの幸せだ。

閲覧数:136

投稿日:2017/01/12 19:36:50

文字数:685文字

カテゴリ:歌詞

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