今日は8月15日。夏休み真っ只中だ。
僕は、今日も宿題をほとんどやらずに、ヒヨリと遊ぶ約束をしている。
待ち合わせはいつもの公園。
おっと、もうすぐ待ち合わせの時間じゃないか。
急いでいかないと、ヒヨリに怒られちゃうかもな。
それにしても、今日も蝉の声がうるさいなぁ。
-この時の僕は、のんきにそんなことを考えながら待ち合わせの公園へと向かった。
「遅いよ。」
時間ジャストに来たつもりだったが、どうやら少し遅刻してしまったらしい。ヒヨリはちょっとだけ怒っていた。
「ごめん、寝坊しちゃって。」
僕はとりあえずそういったが、ほんとはただ単にぼーっとしていただけだ。
「まぁ、別にいいけど・・・」
素直に謝ったおかげか、ヒヨリは割とすんなり許してくれた。
-・-・-・-・-・-・-・-・--・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・
「まぁ、夏は嫌いかな。」
「なんで?」
「だって暑いじゃない・・・」
「てゆうかヒヨリ、その猫どうしたの?」
「あぁ、なんか寂しそうだったから、抱き上げて撫でてあげてたら、なついちゃって・・・」
僕とヒヨリは、公園のベンチでそんなたわいもない話をしていたが、そのうちヒヨリは飽きてしまったのか、
「どこか行こうよ。」
と言い出した。正直僕も、この暑さにちょっとやられそうだった。なので僕は、ヒヨリのその提案に賛成した。
すると、ヒヨリが抱きかかえていた猫が突然道路に飛び出して行った。
「待って・・・!」
ヒヨリはあわてて追いかけて行ってしまった。
-その時、僕の目に飛び込んできたのは、赤い色をした信号機だった。
-・-・-・-・-・-・-・-・--・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・
「・・・ヒヨリ?」
僕は、目の前に広がっている惨状が、しばらく理解できないでいた。
こんなのは知らない。僕の知っているヒヨリは、もっとかわいくて、優しくて、笑顔が太陽みたいで、たしか、そんな感じのはずだ。
こんな、こんな真っ赤に染まったなにかがヒヨリなわけがない。
周りの人は大騒ぎしていて、サイレンの音が聞こえる。
その音にはっとして、ヒヨリだったものにあわててけ寄った。
血飛沫が僕の服についてしまっていて、真っ赤に染まっていたのに今気が付いたが、そんなことはどうでもいい。
「ヒヨリ・・・ヒヨリ・・・!」
ふと周りを見渡すと、すぐ隣には、陽炎が僕を嘲笑うように立っていた。
「嘘じゃないぞ?」
陽炎はそう言った。
きっと、コイツが・・・コイツがヒヨリを殺したんだ・・・!
そんな被害妄想から、僕は陽炎に掴みかかろうとした。
その瞬間。
僕の視界は眩んで、なにも見えなくなった。
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