「――知ってたわよ?」
しれっとメイコが言った。
これには全員、大ブーイングである。
「何で言ってくれなかったの!」
と、ミクがメイコを責める。すると、メイコはまたしれっと
「だって誰も聞かなかったじゃない」
そりゃあ、そうだ。だれも、リンの父がLOIDのメンバーだという前提で考えてなどいないのだから、そんな質問が出たら、奇跡か魔法だ。
現在、リンたちはあのよくわからない『小さな高層マンション』という微妙に矛盾した外観のマンションの一室――カイト達曰く。活動拠点だが――に集まっていた。それぞれの楽器もそろっている。しかし、話題は楽器の話ではなく、リンの父親のことになっていた。
「でもさ、これでLOIDメンバーの子供達が、全員集まったってコトになるんだよね?」
確かに、と言うように全員がぱらぱらと頷いた。
こんな偶然、ありえない。出来すぎてる。これはきっと必然で、運命なんだ。神様は信じない主義だが、誰かがめぐり合わせてくれたとしか、リンには思えなかった。それはリンだけではなく、その場にいた誰もが感じたことだっただろう。
「…けど、親のことは関係ないんじゃない。親はすごくても、子供は平凡、なんてよくある話でしょ」
レンが言った。なんだかすごく冷めているようだった。
「まあね。でも、LOIDの二世、みたいに思われると、それだけハードルは上がるから」
その通りだ。勿論、LOIDメンバーの子供であるということを隠せばいいとも言えるが、恐らく、そうはいかないだろう。何かの拍子にポンッとばれてしまう可能性が高い。
そうなれば、正当な評価などなされないだろう。それを皆、恐れているのだ。自分達の音楽はLOIDとは別のものだし、親の七光りにあやかるつもりは無い、フェアじゃないだろう。
「でもさっ」
明るい声で、カイトが言った。
「LOIDと俺達は別物だよ。気にしないでさ、俺たちらしくやんなきゃ」
「…そうですね。悔しいですが、そこの青いのの言うとおりです。気にすることないですよ」
途中、自分を呼ぶときの言い方が引っかかったらしいがカイトは、そこをあえて華麗にスルーし、満足そうに頷いた。
「ええ。そうね、その通りだわ」
メイコが無理に場を和ませようと、やけに明るい声で言った。
「そう、うん、そうだね!」
それに同調するように、ミクも。
皆がなんとなく無理に笑っているようになっても、リンとレンはなんだか、笑えずにいたのだった…。
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BPM=200→152→200
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