「レン~~~~!!」
「レンくんっっ!」
(また来たか・・・)
レンはうんざりとため息をつくと、全速力でリンとミクがいる真逆の方向へ駆けていく。
「何で逃げるのよっ!」
「こっち来てよぉ!」
「嫌だ!絶対また僕に変な服着せるつもりでしょ?」
そう、彼女らは、いつもいつもいつもいつもいつもレンを捕まえては、問答無用でうさみみがついたロリロリな服やメイド服、キレーなドレスなどを着せてくるのだ。
「違うわっ、今日は違うのっ!えーと・・・」
「とにかく、大変なことになってるから早く来て!お願いっ!」
「そっ、そう!助けてぇっ!レン~~!」
その途端、ピタリとレンの足が止まる。
サッと顔から血の気が引いていく。
(リンとミクに何かあったら・・・!!)
くるりと向きを変えると、さっきよりもさらに早く、駆けだす。
「リン!ミク!大丈夫っ!?」
ゼェゼェと息を切らしながらも二人の元に辿りついたその時。
ヒュンっバッギュッ
もうありえないほどの手際で縄がレンの体に巻き付いて縛り上げていく。
「えっな、何コレ?」
状況が全く掴めていないレンにリンとミクが満面の笑みを向ける。
「「捕まえた~~!」」
(だっ・・・・・・騙されたーーー!)
「同じ手に5日連続で騙されるとか・・・レン、あんた馬鹿でしょ。」
呆れ顔のリンに言われて何も反論できずに終わる。
「単純だよねぇー。レンくんって。」
少しも悪意の無さそうな可愛らしい笑顔で、ミクが言う。
(う・・・その笑顔、逆にめっさウザイ・・・)
そんな事を言えば殺されるのは間違いないので、言葉には出さないが。
「じゃあ、レン。今日は、コレ、着てもらうね。」
「レンくんならとっても似合うと思うよ。」
そう言って差し出されたのは、ピンクのラメで飾られたナース服。
「うげー・・・い、嫌だぁ・・・」
レンの不満げな呟きに、一瞬でリンとミクが殺気を放つ。
「ん?何か言ったかな?」
「言ってないよねぇ?レンくん。」
「う・・・。は、はい。何も言っておりません。喜んで着させて頂きます・・・。」
どこまでもヘタレなレンである。
~~~~~お着替え中~~~~~~
「「おぉっ!可愛い~~~!!!」」
ピッタリとした短めのワンピースに、ナースシューズをイメージした白のロングブーツ、ピンクのハートが描かれたナースキャップに身を包んだレンは頬を真っ赤に染めて苦々しい表情を浮かべている。
「ついでにコレ持って。ポーズはえーっと、そう、そんな感じ。」
「それで、『お注射の時間ですよぅ!』って言ってみて。」
巨大な注射器を渡されて心底物凄く逃げ出したい気分だが、ヘタレのレンには二人に逆らう勇気は無い。
「お、お注射の時間ですよぅ・・・」
「「も、萌え~~!!」」
女装した少年に、二人の少女が声を合わせてそんな事を言う光景は、どっからどう見ても異常である。
「も、もういいだろ?僕の服、返せよ。」
「やだよ。何言ってんの?あと5着は着せるから。」
「レンくんは何着せても可愛いねぇ。他にも●●なビキニとか、●●な巫女さん服に●●なセーラー服とかいっぱい持ってきてるからね?」
・・・・・・・・・・・・・・・頑張れ。レン。
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