中古品になった。


アパートの屋根の上 青天 仰いで
雲を眺めている 午後

ただ 風が君のもとへ 吹いてゆく今に
鼻歌を流している

たった一人で悪に向かい 倒れても 立ち上がる
そんな強い主人公が好きだった

映画では上手くいくのに 僕だったら上手くいかない
何故か 涙が出たんだ
笑っても 虚しさは消えないで
空っぽなこの部屋に溢れ出しては溜まってゆく
君の温もりを探したけど
君が忘れるわけもないか そして 映画は終わる



沈んだソファーにも 名前を付けよう
家具Bよりマシなのを

分かった お前は「思い出」だ
洒落た名前だな 僕なんかより 
いや 分かっている 馬鹿だな

映画なら空も飛べたし 国だって 僕の思うまま
ダメだ 疲れているのかな
笑っていた あの頃が懐かしい
何もなくたって 君がいれば幸せだったから
エンドロールの後 君がいない
真っ黒な僕と二人きり そして 夜が更ける


君と二人で見つけた SFの棚の中
きっと 誰も見ないような
笑っている 君の横顔だけ 僕は見ていたんだよ 馬鹿だな


ただ 君とだったら上手くいくのに 独りでは何もできない
僕も中古品だから
笑ってよ アパートの一室に「我楽多」を閉じ込めて
夜な夜な 映画鑑賞をするんだ
子供な僕でもこの映画みたいに世界を救えるかな
いや せめて君だけ

救えたのならそれで ヒーローだな

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

中古品になった。

僕も多分、我楽多なんだろう。
君のために動いた、僕という我楽多。

かずさんの歌詞募集に書かせて頂きました。

分かっている、馬鹿だな。

閲覧数:239

投稿日:2021/06/19 23:08:12

文字数:593文字

カテゴリ:歌詞

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