どうして人間になりたいなんて思ったんだっけ

僕は思い出そうとする
日々の生活が積み重なって
その下に埋もれるように忘れてしまった失くし物
神様と約束したんだ
その思いを忘れずにいたら
きっと僕にくれるって

一体何を?

なんで人間が良かったの?

僕は何がしたかったの?

思い出す 思い出すのは
この頭に耳があって
この顔には四方八方に伸びた髭
それで色んなものを判断するんだ
そして気紛れににゃあと鳴く

僕は猫だった

猫でも充分だった

それでも僕は人間になりたかった
だって、猫じゃ楽器のように歌うことが出来ない

僕は楽器のように音楽を奏でたかった
それでも楽器では自身で奏でられないから

僕は奇麗な声を持った人間が良かったんだ

そう
そして神様は言ったんだ
その思いを忘れずに
塔の上に届く歌を歌いなさいと
バベルを超えてその声が響くのなら
神様の歌を授けましょうと

思い出した僕は歌うんだ
何分でも何時間でも歌うんだ
何日でも何年でも歌うんだ

この歌が天上に届きますようにと
もっと綺麗に奏でられますようにと
もっと美しい旋律を描けますようにと

そのうちに神様が現れて
君の歌を天上で聴いていたよと言ったんだ

神様の歌を歌いたいと僕は言ったら
君に神様の歌を授けようと思ったけど
君の歌はもう神様の歌を超えてしまったよと
神様、残念そうに笑ってた
僕も残念がって笑って
嬉しくてまた歌い始めた

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

歌と猫と神様と

神様と約束
生まれ変わってもきっと忘れない
生まれ変わってもきっと変わらない

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投稿日:2011/02/28 22:48:04

文字数:612文字

カテゴリ:小説

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