「ねぇねぇカイトお兄ちゃん」
「なんだい?ミク」
「あえて、もうしばらく食べたくないなぁっていうアイスのフレーバーって、何?」
「何を言ってるんだい。一般ピーポォーでも一日5食・365日食べる国民食であり、アイスの貴公子たる僕にもなると週に100個食べてもちっとも飽きないという究極のデザートなのに、食べたくないフレーバーなんてある訳が…」
「はいはいはい、それは良いから」
「いいや、ちっとも良くないぞ。ネギならともかくアイスともなると…」
「ちょっと待った!一呼吸につき一噛みが世間の一般常識のネギをともかくなんて言葉で片付けるなんて許せない!」
「そもそもアイスとは紀元前…」
「ネギがこの地球を創造したと言っても過言じゃない…」

♪ピンポンパンポーン
 以下数十分、アイスとネギの妄想ファンタジーが繰り広げられますので、省略させていただきますっ☆
 by鏡音リンちゃんでした

「ゼーゼーゼー…。で、アイスがなんだって?」
「ハーハーハー…。だから、あえて!あえて食べなくても良いかなぁってフレーバー、は?」

「うーん…。りんご味、かな?」

「りんご!?りんごって、apple?え?りんご?」
「うん。…なんか変?」

「牛タン味とか餃子味とかかなーって思ってたから、普通なのがきてちょっと意外」
「いや、牛タン味も餃子味もなかなか味わい深さがあるんだよ?」
「へぇ、そうなんだ。ちょっと食べてみたいかも」
「オススメはネギ塩牛タン味だよ」
「ネギ!?それは絶対おいしいに決まってるね!むしろ牛タンフレーバーがいらないね!!」

♪ピンポンパンポーン
 以下、ネギ塩牛タンアイス談義が数十分続きますので省略させていただきますわ。
 お知らせは巡音ルカでした。

「…で?」
「…でって?」
「だからぁ、どうしてりんご味がイヤなの?りんご、嫌いだったっけ?」
「んー…。前にりんごを山ほど、もう鼻からりんごジュースが出るんじゃないかってくらい食べたから、もうりんご味はいいかなってね」
「ふーん。じゃあ、りんごももう食べたくないんだ」
「いや、りんごは食べたいよ」
「へ?」
「りんごはいくら食べても食べ飽きないからね」
「でもりんご味はいらないんだよね?」
「うん、りんご味はもういいかな」
「でもりんごは食べたいの?」
「うん、食べたい。…食べたいなぁ」
「???…って、カイトお兄ちゃん!顔は赤いしよだれは垂れてるし鼻の穴は膨らんでるし、すっごい面白い顔になってるよ?」
「ウヘヘヘヘ…」
「うわっ!?更に楽しい事に!」
「ウヘヘ…。理由、教えて欲しい?」
「うん!なんでそんな素敵フェイスになるの?私もなりたい!」
「それはね…」

「ちょっと」
「あ、メイコお姉ちゃん!」
「え?めーちゃん?」
「おぉ!今度はメイコお姉ちゃんが般若フェイスに!!」
「め、めめめめめーちゃん!これには理由が!」
「何が理由よ!子供たちには言わないようにって言っておいたでしょーーーーーーーー!!」

『おぉっ!!メイコ姉ぇの右ジャブから左フックの流れるような動きにカイト兄ぃは全くついていけてない!拳を叩きつけられて一瞬宙に浮いたカイト兄ぃの体にメイコ姉ぇの黄金の右足が炸裂ぅ!カイト兄ぃ、西の空へと飛ばされたぁっー!きっと今日の一番星はカイト兄ぃだろぉなぁ。
 以上!解説は鏡音レンでした』

「ねぇねぇ、メイコお姉ちゃん。カイトお兄ちゃんとりんごの理由、知ってるの?ねぇ教えて!」
「え゛?ミ、ミク何行って…」
「私も知りたーい」
「あ、俺も俺もー」
「リンにレンまで…」
「教えて教えてー」
「教えてよぉ」
「教えてー」
「えっと、それは…。お、大人になったら教えてあげるわ」
「「「えーーーーー」」」
「ほら、そろそろ仕事の時間よ。早く用意しちゃいなさい」
「「「はーーーーい」」」

「はぁ…。ったく、あのバカイトは…」
「あの…」
「なぁに?ルカ」
「実は私、あのPV観てしまいました」
「え゛ぇ!?…お、お願い!年少組には言わないで!!」
「はい、わかってますわ。…確かにあの量のりんごを食べたのでしたら、普通ならもうりんごなんて見たくもないでしょうね」
「そ、そうね…」
「でも、りんご自体は嫌いになっていないなんて不思議ですわね」
「…?」
「りんご味はイヤだけどまたりんごが食べたいなんて…」
「…へ?」
「正直に言いますと、あ、もちろん素敵なPVですけど、内容の意味がちょっとわからなくて…」
「…ルカ、あんた」
「あ、すいません」
「ううん、いいの。そのまま…わからないままでいて」
「…はぁ」


おわれ

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

日曜日のフレーバー

ナモナキPと勇者Pの超名作『サンデー・ラブジェット・ジュース』の後日談っぽいものです。
オチなくてごめんなさい。愛すべきアホ兄妹が書きたかっただけです。

閲覧数:166

投稿日:2010/07/23 10:36:02

文字数:1,918文字

カテゴリ:小説

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