気がつくと後ろに足音
ひたひた　ついてくる
顔も名前も姿さえ知らない　あなたはだぁれ？

一人夜道を帰る
ひたひた　聞こえるの
あれまたなのあなた　わたしについてくるの？

あれ、これってもしかして

ストーカーっていうの？

それって不味いんじゃなぁい
逃げなきゃいけないわ
走り出すわたし
ついてくる足音

もしつかまってしまったら
暗い路地裏につれこまれ

嗚呼――――ッ！！

いやだわ冗談じゃない
明日のニュースなんてなりたくないわ
こんなところで有名になるなんて
洒落じゃないのよふざけるな！
とっとと逃げましょう

交番に駆け込んで
おまわりさんに頼みましょ

わたしを助けて
ストーカーがいるのよ

でも何故かおまわりさん
怖い顔してる
どうしたの、なんで腕を掴むのよ
ああ、

この人がストーカーなのね！

走り出すわたし
追いかけるおまわり
でもそれはストーカー
この国も終わりね！

待ちなさい待ちなさい
いやよいや待たないわ

しつこい男は追ってくる
ああどうしましょう？

とうとうつかまってしまったわたし
この後は暗転な展開よ
震えるわたしを見下ろして
男は怒鳴る

「君、その血はなんだ！？」

なんのことかしら
男は怒鳴る
なんでかしら

わたしは血みどろで

あーぁ、

わたしがストーカーなのよ
大好きな人がいたの
その人を追いかけて
ずっと笑ってたの
だけどその人ってば
わたしの想いも知らないで
逃げちゃうから仕方なく

わたしのものにしちゃったの

まぁ、なんてお笑いなの！

ストーカー
わたしのストーカーおまわりさん
ストーカー
わたしはストーカーそして

殺人罪で、つかまった
連れ込まれたのは路地裏じゃなく

暗い監獄

おしまい！