<第23話末文より抜粋>

 そんなこんなで、3日はすぐに経ってしまいました。その間、テルとアペンドは未完成版魔法陣のデータの抹消等に追われながらも、ミクとルカの帰還についての打ち合わせはちゃんとしていたのでした。

<Dear My Friends! ルカの受難 最終話 ディア・マイ・フレンズ(後編)>

(魔導研究棟 魔導研究室)

そして、期日の3日後、クリプトン王国内の魔導研究棟にある、あの魔導研究室には“本物の魔法陣”が準備され、その場には、ルカの装着品の一部は完成版魔法陣で使ってしまったので、一部の必要な装飾品はこちらの世界の代替品を用いたため“全部”ではないが、来たときに着ていた服を着たミクとルカ、ルカ姫、アペンド、テル、カイト王、メイコ王妃、リン、レンが代表で集まり、ミクとルカの帰還に立ち会ったのでした。

アペンド:これまでにも話し合ったが、一応最後に確認しておきます。帰還してアキバにたどり着くまで、私がミクさんやルカさんに同行します。そして向こうに着いて、問題無いことを確認したら、私がもう一度ここに入って、こちらに帰ってきます。その後、魔法陣抹消の手続きをして、魔法陣を消滅させます。その状態はミクさんとルカさんの世界からだと、入ってきた穴が無くなることで確認出来ます。二人はその穴が消滅することを確認してから、ご自宅にお帰り下さい。お願いします
ミク&ルカ:了解です
テル:ルカさんの一部の装飾品だけはその魔法陣のための素材として使ってしまったので、こちらの世界の素材で作った物にしてもらったが、一般的な物だから、問題ないでしょう。それとミクさん、魔力を抜いた魔弾銃の取り扱いだけは気を付けて下さい
ミク:はい

ルカ姫:あーあ、でも、これでさよならか~、寂しいなぁ。ねぇねぇ、この魔法陣、やっぱり壊すn
全員:だーめ!
ルカ姫:はーい・・・・・・

カイト王:色々迷惑かけてしまっただけでなく、お世話にもなって、本当にありがとう。気を付けてご帰還下され
メイコ王妃:気を付けてね

ルカ:あ、最後にこれ

 ルカは数通の手紙をアペンドに手渡した。

ルカ:私とミクで、大まかに分けられる人たちに、まとめた形でお手紙を書きました。あなた達全員、インタネ共和国の人たち、アフス帝国のイロハさん達、そして牢獄のユキとアルです。ハクさんとテトさんが分けてくれると思います
カイト王:うむ、他国扱いではそうなるな。わかった。渡しておく

 ギューーーーーーーン!

アペンド:さて、魔力も十分だ。二人とも行けるぞ?
ルカ:それではそろそろ行こうか、ミク?
ミク:そうだね、みんな、色々有り難う!

テル:向こうの世界では、他言無用で頼むぞ?
ルカ:わかりました。ナイショにしておきます!

リン&レン:ぐすっ、色々ありがとね!
ミク:うん! レンさんとお幸せに! ぐすっ

ルカ姫:私の分身のルカ! 向こうでも頑張って! 私ももっとお勉強頑張る!
ルカ:頑張ってね! そしてピコさんをあんまり困らせないでね!

カイト王:君たちの事は、文書にまとめて、この世界で言い伝えていこう! グッドラック!
ミク:有り難うございます!

メイコ王妃:あなた達の事、忘れませんから。また会えるときがあったら、今度はゆっくりお話しましょう!
ルカ:楽しみにしてます!

 こうして挨拶を終えた二人とアペンドは魔法陣の上に移動した。

 ヒューーーーーン!

 三人を光の粒子が包み込み、そして光が渦を巻いて天上まで昇り、そして、三人とも消えていった。残ったのは、とりあえずの静寂だった。

***

(アキバ、路地裏)

 ギューーーーーーン!

 アキバの路地裏、人気がない所に出口の穴が空き、穴が空いた状態で、三人はようやっとアキバに到着したのだった。

 スタッ

アペンド:ふぅ、ちゃんと到着出来たな。問題も特に無いし、こちらの人間に見つかると面倒だ。私はすぐに退散しよう。では、二人とも、元気でな

 そうアペンドが挨拶すると、ルカとミクがアペンドを泣きながら抱きしめた。

ミク:えぐぅ、ア、アペンドさん・・・・色々・・・・有り難う!
ルカ:ぐす、いつまでもお元気で!

 アペンドも珍しく涙がこぼれ落ち、そして二人を抱きしめながら約束した。

アペンド:き、君たちの世界と私たちの世界は、もしかするとなんらかの“関係”を持っているのかも知れない。学歩のサムライにしても、ルカとルカ姫にしても。また、こっちの世界と繋がり、君たちに会える事があることを、ココロから願っているよ。これまで、本当に有り難う・・・・・・

 ミクとルカの二人はアペンドから離れ、そして、アペンドだけが出口の穴に入っていった。

アペンド:それでは、これでさよならだ・・・・いや、また逢う日まで!
ミク&ルカ:アペンドさん! テルさんとお幸せに!
アペンド:あー!!!! お、お前達、見ていたのかぁ!

 ギューーーーーン!

 アペンドの声が最後の方で途切れる頃に、穴は封鎖された形で残り、そして1分後、穴は完全に閉じて無くなった。魔法陣が完全に消滅された事を表していた。

ルカ:・・・・・・行っちゃったね・・・・・・
ミク:ぐすっ・・・・
ルカ:ミク、おうちに帰ろうか・・・・
ミク:うん・・・

***

(クリプトン王国 玉座の間)

カイト王:さて、あの二人から貰った手紙だが・・・

ネル:ルカ姫! カイト王様!
カイト王:なんだ?
ネル:ミクさんからナイショで教えて貰った、ルカ姫様が向こうで食べ損ねた“ケバブ”なる食べ物、こっちの世界の代替品を使って、完成致しました!
ルカ姫:やっっっっっったぁ!!!!!
カイト王:それでは、皆で食べながら、手紙を拝見するとしよう

***

Dear My Friends

ルカ姫様、カイト王様、メイコ王妃様、アペンド様、テル様、リン様、レン様、ネル様、ハク様、テト様、ピコ様

まとめてのお手紙、失礼いたします。

皆さんと過ごせた、クリプトン王国でのこの3日、とっても楽しかったです。

大変な事件があったから、一概に全部が良かったとは言えませんが、あなた達に会えたことは、私たちにも“プラス”になったことが多かったと思ってます。

From ルカ To ルカ姫&ピコ様

 ピコさん、私の分身であるルカ姫様の事、大変ですが宜しくお願いします。それとルカ姫様、ピコさんの言うことはちゃんと聞いてね。でも、そんなおてんばな所、嫌いじゃないよ♪ だからこれからも、思いっきり元気にお過ごし下さい。

From ミク&ルカ To アペンドさん&テルさん

 アペンドさん、私たちの世界に来たときに、ミクのわがままを聞いてくれたこと、嬉しかったです。そしてそっちの世界で、本当に色々フォローしてくれて、本当に有り難う! テルさん、経緯は色々だけど、クリプトン王国で頑張って下さいね。きっと良いことが沢山あると思います。

 それでは、アペンドさん、テルさん、お幸せに♪

From ミク To リンさん&レンさん

 回復術と剣術で、私を助けてくれて、本当に有り難う! 魔力は無くなっているけど、レンさんの剣術が入っていた魔弾銃、大切にします!

 それでは二人とも、いつまでもラブラブでお幸せに♪

From ミク&ルカ To ネルさん&ハクさん&テトさん

 クリプトン王国での生活面、色々お世話してくれて、有り難う! 結局、そちらからの“お土産”(?)は、魔力をはずした魔弾銃とルカの装飾品だけだったけど、大切にします! これからも皆さんのお世話、宜しくお願いしますね!

 簡単ですが、お手紙でもご挨拶しようと思って書きました。これからの貴国のご発展をお祈り申し上げます。

 それでは。

初音ミク
巡音ルカ

敬具

***

 その場にいた全員が、感慨に耽っていた。カイト王は熱血的に泣きながら叫んでいました。

カイト王:ううう…ミクさん! ルカさん! ・・・・・・ん? そういえばリンとレンはともかく、アペンドとテル、君たち、いつのまに…

 アペンドは真っ赤になって照れた。テルは真顔でカイト王にズバリと答えた。

テル:カイト王、アペンドさんには、公私ともに、お世話になることにしました。これからも宜しくお願いします
カイト王:あ、ああ、わかった。しかし、なんというか、あのアペンドが陥落するとは…
アペンド:王様! 私だって女の子ですよ!
カイト王:ははは、すまん。まぁ、それよりミクさんもルカさんも、元気でいて欲しい物だなぁ
メイコ王妃:そうですわね

***

(某日 アフス帝国内 休憩室)

 アフス帝国も新規スタートという形になり、今はフォーリナー軍政国家の戦士達とイロハとミキとルカコピーが休憩室で色々話をしながら、休憩していたのだった。そんなとき、法務官のゆかりが、手紙を1通持って、休憩室に入ってきたのだった。

ゆかり:イロハさん、クリプトン王国から手紙が届いてます。差出人は…ミクさんとルカさんですね!

全員:!

イロハ達はゆかりの所にワサワサ集まり、イロハが代表してゆかりから手紙を受け取ったのだった。そして封筒をおもむろに開封し、中を読んでみたのだった。

***

Dear My Friends

イロハさん、ミキさん、ルカコピーさん、ゆかりさん、フォーリナーの戦士さん達

まとめてのお手紙、失礼いたします。

皆さんと闘い、そして仲間として過ごした日々、今となったら、良い思い出となれそうです。

From ルカ To イロハさん、ミキさん

 イロハさん、ミキさん、あの時は本当に有り難うございました。今、私たちが元の世界に帰れたのは、お二人のおかげだと思ってます。今、イロハさんは、新しいアフス国のために、ミキさんやルカコピーさんやフォーリナーの方々と共に、頑張っておられると思います。大変な道のりだと思いますが、ご健闘をお祈り申し上げます。

From ルカ To ルカコピーさん

 私のもう一人の分身、ルカコピーさん。イロハさんのお手伝い、大変だと思いますが、大丈夫だと思います。なんたって、私の分身ですからね。うん、大丈夫! これからも皆さんと仲良く、国の再建を目指して、頑張って下さい!

From ミク&ルカ To ゆかりさん

 貴方とは法廷でお名前を聞いただけでしたが、これからのイロハさんのバックアップ、頑張って下さい!

From ミク To フォーリナーの戦士さん達

 傷は治りましたでしょうか? 皆さんとは結局、試合という闘いで知り合った方々ですが、私にとっては、思い出の一つです。あれだけ強い方々なんですから、これからのフォーリナー国の再建、大丈夫だと思います! 頑張って下さい!

 簡単ですが、お手紙でもご挨拶しようと思って書きました。これからの貴国のご発展をお祈り申し上げます。

 それでは。

初音ミク
巡音ルカ

敬具

***

イロハ:ふふ、さすがオリジナルのルカさんとミクさんだ。我々にもフォーリナーの君たちにも、手紙をくれるとはな
ミキ:やはり、凄い人たちだったんですね。感服します
ルカコピー:ルカ・・・・有り難う・・・・頑張るよ

ゆかり:私も入れてくれるなんて…。光栄です
アン:二人とも、有り難う…
レオン:さすがだ。あの学歩が協力していたのもわかる
ローラ:うぉおーーーーーん! なんて優しいんだぁぁあ!!!!
オリバー:Thank You!
シユ:カムサハムニダ…

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

Dear My Friends! ルカの受難 最終話 ディア・マイ・フレンズ(後編)

☆オリジナル作品第15弾である、「Dear My Friends! ルカの受難」の最終話です。

☆帰還編が13000文字以上になってしまったので、今回も前後編に分けました。今回はその後編で最終話です。二人の帰還とお手紙の事です。

☆これにて長編になったこの作品も、遂に完結です。これまでのご閲読、まことに有り難うございました!!!

***

私がここに投稿したボカロ小説のシリーズ目次の第1回目です。第1作目の“きのこ研究所”~第8作目の“部室棟”+番外編1作目です。
作品目次(2009/12/25時点):http://piapro.jp/t/5Qsh

同じく、目次の第2回目です。第9作目“鏡音伝”~第15作目“ルカの受難”の途中までです。
作品目次(2010年1月6日~2012年2月7日):http://piapro.jp/t/9GY1

***

hata_hata様が、第1作目のきのこ研究所のイメージイラストを描いて下さいました!。まことに有り難う御座います!。
『「却下します!」』:http://piapro.jp/content/oqe6g94mutfez8ct

☆hata_hata様が、第2作目のきのこ商店街のイメージイラストを描いて下さいました!。本当に有り難う御座います!。
『causality』:http://piapro.jp/content/c0ylmw2ir06mbhc5

☆nonta様も、同じく商店街のイメージイラストを描いて下さいました!。本当に有り難う御座います!。
『ようこそ!、きのこ駅前商店街へ!』:http://piapro.jp/content/dmwg3okh7vq1j8i1

☆あず×ゆず様が、第8作目の部室棟の死神案内娘“テト”を描いて下さいました!。本当に有り難うございます!。
『おいでませ!木之子大学・部室棟へ♪』:http://piapro.jp/content/rsmdr1c3rflgw7hf

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投稿日:2012/07/06 18:11:37

文字数:4,771文字

カテゴリ:小説

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  • オレアリア

    オレアリア

    ご意見・ご感想

    enarinさん今晩は!
    またしてもメッセージを書かせていただくのが遅れてしまい、すみません…!

    ミクとルカの2人も、いよいよこの世界の人々と別れてしまったんですね…でも様々な運命の交差でこの両名がやってきた事によって、この世界はガラリと変わりましたね。

    共に戦った仲間も含め、敵として対峙した人達や諸悪の根源だった者達にも、手紙に書いたメッセージという形で愛の手を差し伸べた…感動です!

    ミクとルカがこの世界で出会った人達の全てが¨Dear My Friends¨なんですね。心の垣根を越えて繋がった友情、これほど素晴らしいものは無いと思います。

    そして今回で本当の最終回なんですよね…
    去年の8月から第1話のディアフレを拝読させていただいて、ほぼ1年間に渡る小説でしたね。ピアプロへ不定期に出没する自分でしたが、いつもユーザーの皆さんの新着作品でenarinさんの更新を楽しみにしてました!

    お疲れ様でした、そして良い作品を本当にありがとうございました!
    またこのような小説を書いて下さるのを楽しみにしています!

    2012/07/11 20:07:02

    • enarin

      enarin

      オセロット様、今晩は!

      > 別れてしまったんですね…

      異世界物なので、最後はしっかりと元の世界に帰還しようと決めてました。でも、ちょっと寂しい感じでしたね

      > この世界はガラリと変わりましたね

      元々あった世界の設定や勢力図が偉く変わりましたよね。異世界での”特異点”(パラレルワールドの変換点)となっていたのだと思います。きっかけはルカ姫の興味本位だったのだから、恐ろしい話です

      > 手紙に書いたメッセージという形で愛の手を差し伸べた…感動です!

      はい。確かにミクの場合、ルカコピーを狙わずに、根元と気づいたユキ達を狙って撃ったわけだから、なんとも急な心変わりだと思いますが、自分たちが帰った後のこの世界のために、恨み事は無くそうと思ったわけです

      > ミクとルカがこの世界で出会った人達の全てが¨Dear My Friends¨

      はい、そうなんです。だから”Friends”なんですね。ユキとアルに関しては、この英語を書かなかったとはいえ、それは形式上の事なので、内容的に書いているも同然です

      > 心の垣根を越えて繋がった友情、これほど素晴らしいものは無いと思います

      有り難うございます!! 最後に全国を挨拶だけで回るのは厳しいので、お手紙にしました。ユキとアルに送るのは最初から決めてました。事件にも寄りますが、今回は、罪を憎んで人を憎まず、にしました

      > 今回で本当の最終回なんですよね

      いやーストーリー的な時間としては短いのですが、イベントは多かった感じです

      > 去年の8月から第1話のディアフレ

      これは自分で驚いてしまったので、確認したら、本当に昨年8月が第1話だったので、再びビックリ! この作品、約1年も書いていたんだ…

      > enarinさんの更新を楽しみにしてました!

      一時期、同人シューティングを作っていた期間があって、申し訳なかったと思います。ちゃんと書かないといかんですね

      > お疲れ様でした、そして良い作品を本当にありがとうございました!

      こちらこそ、約1年もの長い間、ご閲読頂き、本当に感謝感謝です!

      > 楽しみにしています!

      有り難うございます! まだ新作設定、全然0なので、これから作っていこうと思います。

      これまでのご閲読、コメント、まことに有り難うございました!!

      2012/07/11 22:10:28

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