消えていく

私の歩いてきた道が
私の足跡が
私のいた証拠-アカシ-が

雪に埋もれてく

せっかく貴方が色をくれたのに白くなって逝く

やだ
寒いょ
凍えちゃう

温めて

指先から感覚が失くなって意識が遠ざかる

それが嫌で周りに意味もなく足跡をつけた

私は此処にいる
私は消えてない
私は温かい

早く私を迎えに来て

何も感じなくなった
白の中に横たわった
眼を閉じたら暗かった

貴方がいた
呼んだら涙が流れた
身体は冷たくなった

数日 数十日 数百日 数千日 数万日 数億日
どのくらい経ったのか判らなかった

光が差した
音-コエ-が聞こえた
誰か来た

雪に埋もれた私を
雪に負けた私を
雪に凍った私を

貴方が見つけた

止まらない感情が溢れた

もう一度歩いて行けるかもしれない
固くきつく貴方を抱きしめる
もう二度と貴方を離さない

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

貴方と私と雪

閲覧数:145

投稿日:2009/03/05 01:52:30

文字数:378文字

カテゴリ:小説

オススメ作品

クリップボードにコピーしました