「・・・マスター」

僕はずっと前に、こんな質問をしたような気がする。

「この世に、形容しがたい気持ちってありますか?」

「んー・・・?」

キーボードで文章を打っていたマスターは、首を傾げる。

「どうだろう?形容しがたい気持ち、か・・・。なかなか難しいね、その質問」

僕を振り返り、困ったように呟くマスター。

「マスターでも、分からないことってあるんですか」

「正確な回答は、なかなかね。あ、でも、形容しがたい気持ちって、こう置き換えることもできると思うよ」

マスターは、何故か僕の目を真っ直ぐ見つめて、

「・・・言葉にしにくい気持ちってね」

と、意味ありげに言った。

「・・・・」

僕は目を逸らして、黙りこくった。

だって、そういうのは、十分過ぎるほど、たくさん知ってるから。

「まぁ、カイト」

「・・・」

黙りこくる僕に、マスターは、

「まぁ、そういうことだから。・・・あ、この世に形容しがたい気持ちがあるかって質問なんだけど、私が言えるのは、」

そこで、少し逡巡してから、

「・・・そんな気持ちは、どこにでもあるっていうこと」

にっこり笑って、結論みたいな一言を言った。

「・・・・・・・・マスターも、ですか?」

「え?・・・ああ」

マスターは、きょとんとして、それから、僕の言葉の意味が分かったのか、

「どうだろうね・・・。よく分かんないよ」

と、結局はぐらかされてしまったのだった。

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【マスカイ】 イメージ課題小説書いてみた 【その3】

こんにちは、もごもご犬ですこんばんは!
今回は、前に書いてたイメージ課題小説の、その3です><
形容しがたい気持ちって、何だろう?そこから、この話が生まれたようなものです。自分でも何言ってるのか分かりませんがwww

次回も、このイメージ課題小説を書くかもしれませんw
それか、久々にアリスと執事の話かwww
いずれにせよ、楽しみにして下さると嬉しいです><

閲覧数:107

投稿日:2010/07/04 14:35:07

文字数:622文字

カテゴリ:小説

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