ルカ姉とミクのお話。やんわり百合っぽいような。しかしそれを期待するとガッカリするような。
というかミク片想い。やんわり切ない。気がする。元ネタはあたしの学生生活←
前に書いた小説とは少しだけ設定違うのかなー……。
前のカイメイは、VOCALOIDってたぶんほとんど人間と同じ…っていう設定だったんだけど、今回は血は通ってないみたいだし。でも飲食はしてるな……;
同じ設定ってことでもいいかー←
まぁ適当に。
…どうぞよろしくです。
暇つぶし程度にお願いします←
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「暑い…」
「そうねぇ……」
比較的涼しい縁側に座り、足をぶらぶらとさせながら私がぼそりと呟くと、私の後ろで本を読んでいたルカ姉もぼそりと呟いた。
その気だるげな声はとても綺麗で、少しハスキーな所が私は大好きだ。
「私、アイスでも取ってくるわ。ミクは?」
「う~ん、さっき食べちゃったから…いいや。ありがとー」
「そう?」
読んでいた本に栞を挟み、ルカ姉はゆっくりと立ち上がった。長い桃色の髪の毛が肩から流れ落ち、ルカ姉はそれを指ですくって耳にかけた。その仕草はとても女性的で、魅力的で、私はつい見とれてしまった。
「なぁに?やっぱり食べる?」
「あ、ううん!大丈夫!」
「別に我慢しなくても、たまには2つくらい食べても平気じゃない?」
「違うの、我慢なんてしてないよ?」
「…そ?」
ふわっ、とルカ姉は微笑み、台所の方へ向かって部屋に入って行った。
ルカ姉が視界からいなくなってしまってから、
「~っ!」
私は声にならない声を挙げて後ろにパタンと倒れた。
見上げると少し古くて茶色い天井が見えて、それから屋根の端があって、その向こうには青くて遠い空が広がっていて、耳には五月蝿いくらいの蝉の声が聞こえる。
「熱い…」
自分には流れてもいない血液が頬の辺りに集まってくるようで、暑いのとは別に、熱い。私は両手を頬に当てて目を瞑った。
「しょうがないなー」
自分に呆れて、ニヤニヤと緩んでしまう頬を元に戻そうと両手で頬をぐにぐにと引っ張る。
どうにも自分はルカ姉のことが大好きでたまらなく、一緒にいるだけでも顔にしまりがなくなってしまうのだ。そんなことではルカ姉に変な子だと思われてしまいかねない。
だからぐいぐい、むにむにと頬を動かし、そしてぱしぱし、と軽く叩いたりしてみた。
「…何してるの?」
クスっと笑うように声が降ってきて、そろりと目を開けるとルカ姉がカップアイスを片手に私の顔を覗き込んでいた。
「べ、別になんでもないけど……えっと、暑くて火照るなぁって思って」
「…?そうね、だからミクもアイス食べたらいいのに」
ルカ姉は私の隣に座り、アイスの蓋を開けた。
「あ、それ、カイ兄が大事に取っておいた新作アイスじゃないの?」
私がむくりと起き上がり、ルカ姉が置いたアイスの蓋を見て言うと、
「あら、そうだったの?……まぁもう開けちゃったし、あとで謝れば兄さんは許してくれるわ」
ルカ姉は悪びれた様子もなくアイスをスプーンで一口すくい、ペロっと食べてしまった。
「どうかな~、カイ兄泣いちゃうかもしれないよ?」
私が冗談を言うと、ルカ姉はクスクス笑ってから
「じゃあ、私が食べちゃったってことは、ミクと私だけの秘密…内緒よ?」
と言ってウィンクをした。いたずらを楽しむような、それでいて大人っぽい微笑みで、また私の顔に熱が戻ってきた。
私は気付かれないようにさりげなくうつむき、
「い~けないんだ!……でも、私も今度味見してみようかな~」
と呟いた。
「味見?味見くらい、今すればいいじゃない。ほら、ミク」
「えっ」
ルカ姉がスプーンのアイスを差し出して来て、私は激しく戸惑った。だってルカ姉のスプーンなのだ。リンちゃんレンくんでも、メイ姉でもカイ兄でもなく、ルカ姉が私にスプーンを差し出しているのだ。ルカ姉のことが大好きな私としては…、姉としてではなく、もっと本当の意味でルカ姉のことが好きで好きで堪らない私としては……これは非常事態なのだった。だがここで断るのは意固地すぎて不自然な気がする。しかし…
「い、いいもーん」
だって間接キスになってしまう。ルカ姉と。それはむしろ歓迎すべきことでもあるのだが、そんなことはとてもできないのが今の私だった。
「どうして?いらないの?」
「いらないもーん…」
「我慢しなくていいのに……」
「我慢してないもーん」
「そう…?」
あぁ、ルカ姉に不思議そうな顔をされてしまった。でもできなかったのだ。
ルカ姉は溶け始めたスプーンのアイスをちらっと見て、
「ホントにいいの?」
「いいの~」
自分の口へパクリ、と運んだ。
「美味しいのに……」
「ふ~ん…でも、今度自分で買うからいいも~ん」
「そう…」
しばらくルカ姉はアイスを食べるのに夢中になり、その間私は火照る顔を隠しながらごろごろと縁側を転がっていた。我ながら何をしているのだろう。
「ねぇミク」
「ん?」
「ほら……」
ルカ姉はまた私にアイスを差し出していた。
「いっ、いいってば…今日はいいの!」
あぁ、顔が赤いところ、気付かれてしまったのではないだろうか…。私はうつ伏せになり、ルカ姉の横に寝転びつつ、しかしルカ姉と反対側を向き、冷たい縁側の床に頬を当てて熱を冷ました。
「ん、美味しかった。ミク、終わっちゃったわよ?」
「だ~から~、今日はいいの~」
アイスを食べ終わったルカ姉は「片付けて来るわね」と言って立ち上がり、また台所の方へと消えていった。
「はぁ~……」
深く深くため息をつき、私はうつ伏せのままでいた。ルカ姉のアイス…とても惜しいことをしたようにも感じるが、やはりどう考えても自分には差し出されたあのアイスを食べることはできない。
なんだか切なくなって、自分の体温が移って生温かくなり始めた床に顔をつけたままでいた。
「食べ終わるとやっぱり暑いわね~」
いつの間にかルカ姉が戻ってきていて、私の横にうつ伏せになった。そして横に置いてあった読みかけの本を広げ、静かに続きを読み始めた。
「…面白い?」
「……え?あぁ、これ?ハクちゃんに借りたのよ。お話の展開が早くて私はついていけないのだけど…」
苦笑しながらルカ姉は読んでいるページを広げて私に見せてくれた。
驚いたことにルカ姉は漫画を読んでいたらしい。意外だった。
「ね?このシーンなんて表情がすごいでしょう」
「う、うん」
見開きでたった1ページ見ただけではなんだかよくわからないのだが、私が適当に相槌を打つとルカ姉はまた本に目を戻し、ゆっくりとページを読み進め始めた。
ルカ姉の白くて細い綺麗な指が本のページをめくっていく。青い瞳がサラサラと動く。私はずっと、本を読むルカ姉の姿を見つめていた。
「…………」
「…………」
私が見つめていることに、ルカ姉は気づかない。あるいは気にしていない。
二人とも無言で、ルカ姉は本を、私はルカ姉をじっと見続けていた。
どのくらい時間が経っただろう。私がぼんやりとしていると、ルカ姉がふと顔を挙げ、
「あら、もう夕飯の買い物に行かないといけない時間ね。ミク、一緒に行く?」
「えー……」
ルカ姉を眺めていられた時間が惜しくて、私はつい不満の声を挙げた。
「あ、今日はやめておく?」
「い、行くっ!」
勘違いしたルカ姉に慌てて返事をして、しかしやはり名残惜しく感じ、もう少し…と床をごろんと転がった。
「もう、置いていくわよ」
ルカ姉が呆れたようにため息をつき、本当に行ってしまいそうになったので、私は慌てて起き上がった。
「わ!行く!行くってば!」
慌てすぎてよたよたとしながらルカ姉の腕に抱きつくと、ルカ姉はおかしそうにクスクスと笑っていた。
からかわれたのだとわかり、私は今日何度目かわからないけれどまた顔が熱くなるのを感じた。それを誤魔化すよう頬を膨らませ、
「む~、ルカ姉~」
と唸って見せる。
「ほら、行っちゃうわよ~」
「もう、行くって行ってるのにー!」
すっと自然にルカ姉が手を差し出したので、いつの間にか手を繋いでいた。私はなんだか幸せになって、もう縁側への未練はほとんどなくなっていた。それどころかルカ姉と二人で買い物に行くのが楽しみになっている。手を繋いで、照れてしまいながら…やはり嬉しくて仕方がないのだ。我ながら単純だ。
ルカ姉に私の気持ちが通じることはなさそうで、それはとても切ないのだけど、「これはこれで幸せでもあるなぁ。」
単純な私はそんなことを考えながら靴を履き、夕方になって少しは涼しくなった外へ出た。
繋いだ手は熱かったけれど、ルカ姉が離さないでいてくれる間は繋いでいたい、そう思ってキュッと握っていた。
「…ねぇルカ姉、今日の夕飯何にするの?」
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ほい、終了!←
オチなんてない(ぁ
仕方ないじゃない、自分の体験を元に妄想膨らませて場面設定を少しいじった程度なんだもの
ノンフィクションから生まれたフィクションなんだもの
オチを考える頭なんて私に備わっていないのだもの
終わらせるだけで精いっぱいだったのよ←
そういうワケで私は満足したのである
ネギトロおいしいですもぐもぐむぐむぐもぐもg(ry
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