世界はこんなにも美しい。
怖くなるくらいに愛おしい。

僕は自分の世界にいた。
真っ白で純粋で何も無い、ただただ美しい世界

空も無ければ、地面も無い。
ただただそこに存在しているだけの空間。

そこで僕は1人だった。
ずっとずっと1人だった。

でも、1人という事すら知らなかった。
この世界が僕に寄り添っている、
それだけで十分であった。

なのに君は現れた。
いつからなのか、どこから来たのか
何も知らない。

でも、君は確かにそこにいた。
白い世界の端から僕を見つめていた。

白い世界に映る君の笑顔を僕は見つめていた。
来る日も来る日も。

いつの日からか僕の真っ白で美しい世界に、
君という色が加わっていた。

それが当たり前になっていた。

僕は初めて温かさというものを感じた。

あなたに伝えるべき言葉探すけど
見つからないな。
何か伝えたい。
この温かさを失わないように。
でも、伝える事さえ出来ない。

こんなにも溢れているのに。

いつの日か君はいなくなった。
それは、確かに手につかんだ水が
手を開いたと同時に
手からこぼれ落ちるように・・・・・・

僕は泣いた。来る日も来る日も。

僕はまた1人になった。
君が誰かは分からなかった。

でも、僕はその温かさを失った。

温かさを知った僕は一人でいることが
どうしようもなく怖くなった。

僕は、自分の世界も失った。

あの怖くなるくらいに美しくて
息もできなくなるくらい真空な世界。

誰か僕に温もりを。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

You and beautiful world

ゆよゆっぺさんのYou and beautiful worldの自分の解釈を小説にしてみました。
ぱっとしないエンドなのですが自分はこういう書き方も好きです。

閲覧数:111

投稿日:2016/03/30 13:16:36

文字数:641文字

カテゴリ:小説

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