【金木犀の通学路】
a(♂)
「なんだかキミは変わってるね」って
少し変わってる君が言った
「褒めてるの?」って聞くといたずらに
笑う君が駆けてった
a(♀)
キョトンとしたその顔がどこか
おかしくて笑ってからかった
「褒めてるよ」って言うことも出来た
だけどそれは秘密なの
b(♂)
大切なことは言えない癖に
裏腹な言葉ばかりが飛び出した
君を傷つけてしまった僕を
今はどう思ってるの?
s(♂)
金木犀の香りが溶けていく
あの長い下り坂を
でたらめに走ってく無邪気さが
僕は大好きでした
s(♂)
少し背が伸びる度に味わった
君と僕との距離感
沈黙が邪魔する帰り道は
オレンジ色の通学路
a(♀)
「やっぱり君は変わってるね」って
少し変わってるキミが言った
時間が過ぎていくのも忘れて
笑い合うきらめく日々
a(♂)
素直に向き合うのが怖かった
いつか嫌われてしまうその前に
本当のこと言うことも出来た
「君だけが特別だよ」
b(♀)
似たもの同士が紡ぐ日々を
愛しく思うほど悲しくなるから
少しずつ離れていけばいつか
キミはボクを忘れてく…
s(♀)
金木犀の夕(ゆう)の色が咲く
あの雨上がり宵待ち
手の甲が触れただけで慌てる
キミが大好きでした
s(♀)
背丈が追い越されたそのときに
トクンと振れた鼓動が
やけに照れくさくて目を背けた
オレンジ色の通学路
c
(♂)擦れ違った思いは取り戻せなくて
(♀)譲り合った結果がエンドロールになって
(♂)君の心の中を見ようとしないでいた
(♀)そんな自分自身を責めようとした
s(♀)
金木犀の言の葉を知ってる?
(♂)
金木犀の言の葉を教えて…
s(♂)
金木犀が奏でた「初恋」を
あの長い下り坂で
でたらめに走ってく無邪気さが
僕は大好きでした
s(♂♀)
金木犀の香りが溶けていく
この長い下り坂を
不器用な心で補っては
「大好き」を隠してた
s(♂♀)
そしてまた同じように交わった
時を超えた恋心
気づけば背中押してくれてた
オレンジ色の通学路
金木犀の通学路
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