白いドレスが 夜風になびき
祝宴の声が 遠くに響く
敷石に落ちた 月の雫
夜の静寂に 抱かれていた
笑顔の隙間に落ちる翳(かげ)
「お利口ね」 重ねられた言葉が
静かに降り積もっていく
舞い散る羽に 振り返る
籠の鳥の瞳に 瞬く星影
静かに揺れる アンタレス
そっと手を差し伸べ 鳥をいだいた
ふるえる指で 祈りを結び
青く澄んだ夜へと 解き放つ
赤いリボンが 夜空を切り裂いた
緋色のヴェールが 闇を染めて
柱を焦がす 風のざわめき
導かれるように カペレの扉へ
膝をつき 空を仰いだ
焔に追われ 滲む視界
息をひそめて 人形を抱きしめた
ステンドグラスの光が降り注ぐ
開けた窓から 舞い降りる鳥を見た
逃げ場のない 燃える檻のなかで
かけがえのない 人形を胸に
願いをこめて 空へと解き放つ
喜びも 優しさも 語れぬままに
全てをゆだね 瞳を閉じた
空にほどけた 赤いリボン
瞬く星々は 見つめていた
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