「夏なんて嫌いだ」
幾度目となる心の慟哭
無駄に厚いスーツを着て
僕は今日も歩いてます
空を突く摩天楼を
一人でまた見上げて
過ぎていく時間さえも
忘れられたらいいなって
エキストラなんですそうなんです
僕は背景、名前のない群衆
主人公は僕以外の誰か
モブはモブらしく生きてますよって
平穏無事だけ祈っちゃったって
思い通りにゃいかないさ
「夏なんて嫌いだ」
幾千目となる心の慟哭
「これって全部夢ですよね」
テンプレ効いた台詞ですね
空を突く摩天楼を
見上げてたったの数分前
現状把握を全力放棄
一体どうしてこうなった
響く怒声
響く悲鳴
響く銃声にただ小さくなって
そんな姿を客観視して
「やっぱり僕ってモブなんだな」って
スピーカー越しのテロリズムを
他人事みたいに聞き流しちゃって
震える少年涙を流して
思うままにはいかないか
掠れた遠い日の記憶
幼心の夢路の果てよ
見果てぬ夢よと諦観すれど
玉響に揺れるあの日の思い
現世(うつしよ)一重に酷なれば
幽世(かくりよ)覚めぬウタカタの夢
あの日の夢を叶えよう
エキストラなんですそれなのに
気づけば、脚が動いちゃって
脇役の僕が主人公気取って
小さな体を突き飛ばた
ほらほらほらほら幕が降りるよ
銃口は僕の眉間を狙って
ひきつる笑顔を無理矢理張り付け
「ほら、しっかり狙えよな?」
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