穴に落ち先は喋る食い物や妙な大きさの扉が在る訳でも無かった。
 ただ…
「何だここは。」
 鳥籠か虫籠に入ってる気分だ。かろうじて牢屋だと思わないでいられたのはここが外だからだ。
「…メイ、ト?」
 その声にはっとして振り返る。
「帯人!お前こんなとこにいたのか!」

ダン!

「痛・・・」
 何すんだ、と叫ぼうとしたときだった、顔をあげた瞬間驚きすぎて出そうとした言葉はきえた。
「…やっぱり。この檻はぼくだけを閉じ込める。俺だけしか触れない。」
 俺は、檻の外に居た。
「進め、この世界はゲームをクリアすれば出れる。」
「…ゲーム、か。俺がクリアすればお前も出れるよな?仲間だし。」
「…そうだね。赤い道を進めば森から出れるから。」
「おう。」
 妙な間はいつも通りだと気にせずに俺は赤く染まった道を進んだ。


第2章 次のアリス


「帯人!メートさん!二人とも起きて!如何したんだよ!」
 行き成り表れた笛吹き、彼が犬笛で音をかなでるとぱたりと倒れてしまった二人。
「ねえ、冗談なんだよな…帯人…」
 スリープモードなら起きてとこっちの言葉で言っても絶対起きてくれる。違うのは電源が切れたか、完全に壊れたか…メイトまで倒れていることで逆に悪い方向に考えが行く。
 電話も人間の声だけでボタンを押さずにかけることは不可能ではない。つまり笛の音でVOCALOIDだけに聞く何かで電源を切ることも可能なのかもしれない。それなら、納得ができるが最悪だ。帯人はコードの接触が悪いから電源を切ればつけるかわからない。
「ああ、すいませんね、驚かせてしまいやした。…泣かせるつもりはなかったんですが。」
「泣…?」
 何だか頬がすーっとした。視線を落とすと床やアイトの服がちょっと濡れてる。
「おやぁ、自分で気づいてなかったんですかぁ?まあ良いですが。大丈夫、二人は電源が切れたんじゃなくてちょっとネットの中に入ってもらったんスよ。」
「…ネット?なら二人は…」
「無事です。」
 気が抜けてその場にへたり込む。ああ、腰ぬけただろうな…
「…あはは、なら呼びかけにもこたえなくて当然か。マイクを通さなければあそこに声は届かないから。」
 乾いた笑いと安心感。
「さて、一人最初に一緒に送るべき人を逃してしまいましたねぇ。不良ロイドは健気にバイトの真っ最中ですか。」
「不良…」
 まあアイトが来てから自粛してくれてたけど…1年で365なんかじゃ余裕でたら無い位の喧嘩数だ。十分世間から見れば不良に入るのかもしれない。
 バイトの時と私生活のギャップが良いと部活ないじゃ評判で、バイト先や店にあたっては人が違いすぎるので町で悪名高い赤毛の不良とは別人だと思ってるようだ。
「誰が不良だ!…て言うかお前旅に出たんじゃなかったのか?」
「ああ、帰ってきやしたね。」
 アカイトの質問をかるく無視して今度は小さなギターのようなものを取り出した。
 ベットに腰かけると、音をかなでだす。あまりにきれいな旋律にその場の全員が言葉を失った。無視されたことにアカイトも怒るのかと思えば何も言わない、言えない。怒りも四散して消えているようだ。それはこちらも同じ。
「…ふむ、笛以外はやっぱ落ち着きやせんねぇ…まあ良いっすけど。」
 ふと音が止み、不思議な空気が消え去った。
「…というかどうやって笛吹きさん表れて…」
「同居人さん、部屋に楽譜忘れちゃいました…すいません、入りますよー?」
「おやぁ、カイト君丁度良いタイミングですねぇ。」
「あ、ちょ、兄さん待って…今ややこしいことに…」
「あはは、本当にちょうど良い。」
 そういうとさっきまで出してたふざけた空気すうっと消した。ああ、こいつはカップを置く音一つで周りの人全員の注目を集めることができるタイプだ。
 彼自身が作りだした静寂の中で真剣な目でギターを見つめていたのをスッと閉じると代わりに口が開く。他を閉じて他に集中するために。

 一夜限りの夢でも構わない それで彼等は幸せになれるから
 不毛な行為と君達は言うだろうか それなら君は何も知らないんだね。

 歌詞が英語になった瞬間に急に眠気が襲う。
――楽しんでくださいね、一夜限りの夢を。
 遠くなる意識の中で妙にはっきりと笛吹きの言葉がそう聞こえた。

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「亜種・」手のひらサイズの彼1.5[崩壊注意] 第二章一頁目

再会するも、帯人とメイトは別の道を進む。
そして話は一度現実世界へ。

兄さん4歳誕生日おめでとう!
なのにあんまり出番なかったww
結局兄さんラジオ作成以来起動できてません。したいなぁ…
やる歌もいろいろ決まったのに。
まあ諸事情は良いとして。

やっと第2章です。
書きたい話はいっぱいありすぎてこぼしそう…早速こぼしのフォローに出てるなんて秘密。
のんびりゆっくりお付き合いくださいませ。

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投稿日:2010/02/17 20:49:40

文字数:1,777文字

カテゴリ:小説

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