「赤の他人の異性が自分とそっくりって、アレじゃない?」
ミクが赤色の箸を器用に回しながら言う
「アレ?アレって何?」
疑問に疑問で答える私、鏡音リン。
珍しく給食ではなく弁当だったから私はミク、すなわち初音ミクと二人で食べていた
本当はわいわいがやがやで食べたかったけど…
「だってさ……もしそのそっくりの人が好きになっちゃったら…」
ミクから2人がいいって言われたわけを理解した
「好きな人とか、いんの?」
我ながら的を射た質問だ。と思いつつ玉子焼きを食べていると、ぽかんとしていたミクの顔が凄い事になっていた
苦い漢方薬を2つ混ぜ合わせた物に青汁とアロエを含めた物を飲んだ時の顔
本当にそんな物飲んだ事無いからわかんないけどきっとそうだ。
「図星?」
「馬鹿なのか!?」
「ばっ馬鹿!?」
一言で考えを吹き飛ばされた。
顔赤かったらそうかなーとか思ったんだけど違うみたい
「絶対初音だと確信していた」
「ちげーよ」
初音、とはミクではない。ミクオの事だ。"はつね"とは読まずに"そね"と読むからあまり皆にはそっくりとか兄妹とか言われない
しかし似ているのは事実だ
ミクは呆れ顔をして梅干を食べた。種は入ってないようだ
「私じゃなくて、リン…」
伏せられていた目がカッと見開いた。
「あなたのことよ!!!!」
ミクが急に大声を出した。そして立ち上がっていた
目立っていなかった私たちに視線が集まる
「は?」
箸を机に落とした
慌てて拾っているとミクが話を続け始めた
「そうね、鈍感なリンに言うには早いかもしれないけど言うね」
「鈍感?私卓球部だから俊敏だよ」
否定すると恐ろしく柔らかな笑顔で見られた。
「昨日だか一昨日にとある人から相談されたの…自分とそっくりの人が好きになってしまったって。でもよく夫婦とか従兄弟とかはやし立てられてるから告白が出来ない…」
「ふーん」
恋愛の話は喋るのは好きだけど聞くのはあんまり好きじゃない
適当に生返事をしてたら急にミクがニヤリと笑った
「何?どうしたの?」
「いえいえー、ちょっと私ルカんとこ行ってなんか貰ってくるわー」
明らかに怪しい嘘をついてルカとメイコとメグの机に行った
よくよく見れば向こうの三人も笑っている(というよりニヤついてる)
「へんなの…」
もう一度机に向き直ると誰かに離しかけられた
「なぁ鏡音」
「んあ?」
見ればクラスメイトの鏡音レン
私とそっくりでよく双子って言われる。そんなことだとさっきのミクの話はメイコかもなって思う
「ありゃ、どうしたの?」
顔赤いし熱っぽいからあれかな、体温計の場所聞きにきたのかな
「体温計は教「あのさ」」
遮られた
なんかさっきからきょろきょろしてるし、なんなの?
私が訝しげな目で見ていたのだろうか、
話を始めた
「あのさ、今日の放課後、ちょっと残って」
"話がある"
声は出なかったけどそこまで口が動いていた
「いいよ」
軽く返事をする。きっとなんかコンクールとかの相談だろうなー
「あら、お二人さん仲よろしいわねぇー」
「!?」
声の方を向くと、小学校から同じのカイトだった。そして何故女言葉なのだろうか…
確か鏡音と仲が良かったはず。とりあえず聞く
「ねぇ、コイツ殴っていい?」
鏡音の方を向いた。そしたら俯いていた
返事が無い。ちょっとイラッとしたのは秘密
「ちょっと、鏡音?あれ、鏡音で合ってるよね?」
俯いてるから下からのぞきこむ形で見た。
やっぱ熱?顔が真っ赤
私に気がついた鏡音はとっさに後ろを向いた。軽く驚く
…そして、気がついてしまった
周りのクラスメイトが皆私たちのほうを向いているという事
カイトはミクとvサインを送っていること
で…
私も顔が熱くなった
「えっ!?あっ?ちょっ…」
私もとっさに俯いた。ざわっと周りから声が上がる
「み、ミク…」
「やっと気付いたの?鈍感すぎ」
全てを悟ってしまった自分が恥ずかしい
ミクからのとどめの一言
「女の子は勘が良くないとね」
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2010/03/09 00:07:06