「あ~ぁ」
レンは空を見上げると何度か分からないため息声をあげた
お使いに出掛けたのはいいが店を出て少し歩いた途端雨に降られてしまい、仕方なく近くの別の店で雨宿りをしていた。
幸いにも頼まれたお使いは全て済んでおり後は帰るだけだがこの雨ではどうしようもない。激しい雨なら少し雨宿りすればすぐに上がるし、小雨なら多少濡れるのを我慢すれば走って帰れるのだがこのにわかだが小雨だが分からない中途半端な雨はしばらく止みそうもなかった。
更には天気予報で今日はお昼から雨だとやっていたし、
お使いを頼んだメイコからも念のため折りたたみ傘を持っていくように言われていた事を思い出したが既に後の祭りだ。
「これじゃあ帰れないな~…」
迎えに来てもらおうと先ほどから携帯をかけてみたが雨のせいか全然繋がらない。恐らくレンの前をゆく周りの人達も皆携帯を手に歩いている性為もあるのだろう。どっちにしろ今のレンにはこの雨が止むまでここにいるしか選択肢は無いようだった。
――しばらく外を見ていたレンはふと背後のショーウインドーを見た。
ショーウインドーには白い枠の大きな窓の中に一面に広がる海が描かれたパネルが飾ってある。その周りを無数の蝶のモチーフが囲みまるで蝶が窓から溢れ出てきた様だ。
しばらくその絵を眺めているとふいにひらひらと目の間を一羽の蝶が飛んできた。一瞬蝶が絵の中から抜け出したと思いレンは驚いたがそのまま手を伸ばしてやると蝶は静かに指にとまった。どうやらこの蝶も雨宿りにきたらしく羽が少し濡れていた。
「おまえも一人か…お互い淋しいな」
はは…と笑いながら呟き蝶を指にとめたまま再び空を見上げる。灰色の空と雨の中一人きり…まるで自分達だけがここに取り残されたように感じる。
しばらくすると蝶は羽が乾いたのかまだ止まない雨の中を飛び去った。まるで枯れた花の花弁がちぎれて風に舞い上がる様に…
「……これでまた一人ぼっちか」
レンは自嘲気味に笑う。
蝶には誰のものでも無い自分だけの羽があり何処へでも飛んで行ける。傘がなければこんな日は出歩けない自分とは違う。
でも少し寂しい…
「あ~ぁ」
もう一度ため息声をあげると…
「レ―――ン!!!」
「??」
オレンジの傘を差したリンが手を振りながら走ってきた。
横には緑の傘のミクがいる。
「リン――ミク姉?」
「レンやっぱり傘忘れてったのね~!」
「――傘?」
「レン君が帰って来るの遅いからみんなで心配してたの。
そしたらリンちゃんが玄関に置きっぱなしの傘を見つけたからもしかしたらって」
「………う」
そんな所に忘れてたのか俺、とレンは別の意味で後悔した
「全くこういう所はいまいちヌケてるわよねレンは」
「なっ……!!ウッセ―――!!
リンが言うこと無いだろ!?」
「何よ本当でしょう!?」
「はいはい二人ともその位にして早く帰ろう?
お姉ちゃんとお兄ちゃんも家で待ってるよ」
ミクの仲裁にレンはリンから傘を受け取ると
三人揃って雨の中を歩きだした。
―――その後レンが後ろを振り返ると、
先ほどの蝶が静かに飛んでいた
コメント0
関連する動画0
オススメ作品
おはよう!モーニン!
全ての星が輝く夜が始まった!
ここは入り口 独りが集まる遊園地
朝まで遊ぼう ここでは皆が友達さ
さあ行こう! ネバーランドが終わるまで
案内人のオモチャの兵隊 トテチテ歩けば
音楽隊 灯りの上で奏でる星とオーロラのミュージック
大人も子供も皆が楽しめる
ほら、おばあさんもジェ...☆ ネバーランドが終わるまで

那薇
(Aメロ)
また今日も 気持ちウラハラ
帰りに 反省
その顔 前にしたなら
気持ちの逆 くちにしてる
なぜだろう? きみといるとね
素直に なれない
ホントは こんなんじゃない
ありのまんま 見せたいのに
(Bメロ)...「ありのまんまで恋したいッ」

裏方くろ子
それは、月の綺麗な夜。
深い森の奥。
それは、暗闇に包まれている。
その森は、道が入り組んでいる。
道に迷いやすいのだ。
その森に入った者は、どういうことか帰ってくることはない。
その理由は、さだかではない。
その森の奥に、ある村の娘が迷い込んだ。
「どうすれば、いいんだろう」
その娘の手には、色あ...Bad ∞ End ∞ Night 1【自己解釈】

ゆるりー
Starry Starry Starry
開演 喝采鳴り響く舞台裏
彗星が奏でる幕開け
袖に揺蕩う夕闇の矮星
また独りだけの再演
のべつ幕無しに沸き起こる礼賛
映ゆるポラリス 憧れたいけど
纏う焦燥 喧騒 劣等感
見えない自分に今日も不戦敗
希って 足掻いても...Starry Starry Starry 歌詞

みゅりるは
雲の上 遥か彼方まで
我ら知らぬ 旅路を往くんだろう。
昼下がり、ふと、消えた灯、
静かにゆく時計は止まった。
昔から強く、優しく、
熱いココロあった。
いざさらば、笑っててゆけ。
往く雲は、遠くまで、ゆく。
木の幹の根元に集う
童たちの、導(しるべ)となったろう。...そらのかなたへおくるうた 歌詞

うづ
Hello there!! ^-^
I am new to piapro and I would gladly appreciate if you hit the subscribe button on my YouTube channel!
Thank you for supporting me...Introduction

ファントムP
クリップボードにコピーしました
ご意見・ご感想