朝霧閉ざす往来 青ざめた空
神様より早く起きた
朧に眠るのろくさ気だるい街に
ノイズ混じりハレの予報
物憂い門扉 幽(かす)む物の音は遠く
紙魚喰いの地図を片手に
明日のページに栞を挟もうか
どうだい首尾はいいのかい?
どうにも纏わり苛む絡まり絡げた閉塞感
軽薄白けて素知らぬ顔してついてくる
どうして他人事宜しく、そんなにせせら笑ってんの?
高みで見たいとひたすら本を積む
デイリーデイリートラッシー
目次通りの毎日
ページを捲るたび色を無くして
我楽多のようなお仕着せの愛を
いつまで馬鹿みたいに歌ってんの?
夕星(ゆうづつ)滴る宵は街に沁みて
神様は褥に就いた
片耳折れたか細い犬は寂しら
さんざっぱら見た風景
道化打ち囃す仲見世を横目に
一人二人(ひとたりふたたり)追い越し
見るもの凡てに付箋をつけるのだ
どうだい準備はいいかい?
どうにも纏わり苛む絡まり絡げた焦燥感
軽薄白けて素知らぬ顔してついてくる
どうして他人事宜しく、そんなにせせら笑ってんの?
手狭な棚にさ幾つも押しやって
タイニータイニーハッピー
最初から無いもの
失くしたなんて出鱈目を言って
借り物のような賢しらな愛を
いつまで馬鹿みたいに歌ってんの?
いよいよ僕の本を捨てる時だよ
そこから抜けだして街の空白にあなたの言葉を埋めて
活字を辿って
音節を超えて
韻律に乗ってどこでも行こうか
散文降りしきる衒学の街
本当のページを開こうか
デイリーデイリートラッシー
目次通りの毎日
ページを捲るたび色を無くして
我楽多のようなお仕着せの愛を
いつまで馬鹿みたいに歌ってんの?
タイニータイニーハッピー
あてのない夢を
トランク一つ哀れ吟遊子
旅立つ荷物は少しでいいのさ
重荷な感情破りさって
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ブクマつながり
もっと見る素気(すげ)ない風が粛々と葉末(はずえ)にすがる雨露(あめつゆ)をさらう
街の明かりが彳(たたず)んだ夜の暗がりを静かに摘んでゆく
薄暮に霞む後影 行人(こうじん)織りなす街路の淡彩
古い市門に消えてゆくあなたの背(そびら)を目で追った
踊るに似たるその歩み隆(りゅう)ときまって甚だ可憐で
宵に急か...それはあまりに人間的な
HaTa
あやふやで不確かな言葉が澱のように積み重なっては
淀み、惑い、形をなくして喉の奥に溶けていく
あなたを語るに足る言葉は生憎、持ち合わせてなくて
戯けて口噤み笑っては、路傍の塵芥一つ蹴った
曖昧が募って
迷妄、渦巻いて
それでも伝えたくて
同じ言葉ばっかを切っては繋いでまた積み上げて崩して
もううんざ...言葉とエポケー
HaTa
二六時中、取り巻く喧噪が、頬を撫でるそよぎのなか隨に舞った
可成り懶さに歌う聖歌隊、頓痴気な列をなし歩く言葉
錻力を戛々打つ通り雨が錆びた風の余波のなか矢庭に降った
雨に濡れるのも厭わず歩く、願を懸けるように傘を閉じて
いつか終わりはくるんだ。その希望にひたすらに縋った。
...八釜しの国
HaTa
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過ぎたる景色の群像を追って、走って、手...螺子式夢遊船
HaTa
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生き場所のないあなたに向けて 林檎の弾丸、背に撃ち込んだ
記憶、棺、日射病、苦痛、赤いジェラニューム
女衒、笑い、アパルトマン、焼けつく太...異国の街
HaTa
ボトルシップクロニクル
暮れ行き泥(なず)む斜陽と影
茹だる海の火照り尾を引いて
我儘、気儘、波を辷る
酔いどれ帆船の舵をとれ
一体何を探してるの?
一疋、嗤った回遊魚
回らぬ時計はさておいて
青い鳥の啼音(なきね)の後を追え
昨夜(よべ)の不安と気がかりな夢と...ボトルシップクロニクル
HaTa
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