窓際の一番端っこ、一番後ろの席。わたしの一番好きな位置。
 カーテンを舞いあげる爽やかな風を感じながら、自分だけが教室の全てを把握しているような舞い上がった優越感に浸る。
 先生の声をBGMにして、さて、何を描こうかと教室を見渡した。
 ふと、こちらヘの視線を感じた。2列隣の真ん中らへん。飽きるほど見ているレンの顔が、こちらを向いている。なんの用だろうと思って視線を捕えようとすると、どうやらわたしを見ているのではない様子。あのくらいの角度なら……。2つ前の席の子だ。
 おとなしくて秀才、休み時間にはいつも分厚い本を読んでるあの子。
 ふうん、そういう子が好みなのね。
 わたしは心のメモ帳に書留めて、レンのアホ面を描くことにした。さすがにもうあの子は見てないけど、レンの顔なんて見なくても書ける。

 コロコロ、と消しゴムが転がった。意外に前まで行ってしまった。
 わたしは何気ない風に席を立って、消しゴムを拾いに行く。なるべく素早く! でもあの子の方が少し早かった。
 「どうぞ。」そう言って渡してくれた彼女は優しく微笑んでいて……可愛かった。
 「あ、ありがとうっ! 」思わずぶっきらぼうに返してしまった返事は裏返っていて、静かなクラスに響いて、みんなの悪意は無い笑いの中でわたしはひとり、急いで席に戻った。
 レンが呆れ顔でこっちを見ている。「なにやってんだよ。」と口パクされた。わたしは何も返さずに勢いよく左を向く。
 「あーあ。」と、心の中で呟いた。手に握ったままの消しゴムを見る。
 消しゴムの紙の裏にはあの人の名前。家で使えばよかったなんて後悔はもう遅い。だって、早く使い切りたかったんだもん。
 窓越しに望んだ空が今日はとても高くて、遠い山も近く感じる。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

snowkuouksさんの「青空のセッション」
http://piapro.jp/content/jkaq5suud5oc75bp
~のシリーズを小説にさせて頂きました。
とか言いながら、今回の分は最初の1ブロック分ですorz
snowさんの世界を崩していないといいのですが・・・

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閲覧数:313

投稿日:2008/12/29 20:28:46

文字数:740文字

カテゴリ:小説

  • コメント4

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  • リオロ

    リオロ

    ご意見・ご感想

    snowさん>
    よかったです。見当違いの方向に行ってなくてww
    そういえば双子で同じクラスって・・・ありって事にしときます。

    2008/12/29 20:19:03

  • snowkuouks

    snowkuouks

    ご意見・ご感想

    レンを斜めに見ようとしてるけど、
    自分も実は余裕があんまりないって心情。
    なるほど、これはありですよね。

    2008/12/29 20:07:56

  • リオロ

    リオロ

    ご意見・ご感想

    snowさん>
    ありがとうございます。
    でも他の方の作品で書かせていただくのはとても緊張しましたww

    2008/12/29 20:01:18

  • snowkuouks

    snowkuouks

    ご意見・ご感想

    このリンもかわいいですね。
    思春期真っただ中。

    2008/12/29 19:53:48

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