◆◆◆鏡音リン 廊下での出来事◆◆◆
≪2階廊下にて≫
職員室は2階にある。そのためには、2階廊下を通らなければならない。
2階廊下は、人通りも少なくいつも暗い。よく、学校の怪談の舞台となるのがこの場所だ。そのためか、あまりみんなは職員室に行きたがらない。もし、行くことになれば、友達を連れていくのがお決まりだ。

(……びくっ)

はっきり言って、怖い。
いかにも、「あなたの背後から現れますよ~」って感じだ。
(テトも連れてこればよかった……)
教室を出る際、テトに「一緒に行こっか?」と声をかけられたのだが、私は断ってしまった。
(バカだ、私…)
後悔をしながら、ここで立ち止まってしまっては休み時間が終わってしまうことに気付き、仕方なく通ることにした。


もう使われていない教室――
学校で一番古いとされるトイレ――
理科室、音楽室――


学校の怪談上、とても有名な場所の前を通る。
振り向いたら何かがいそうな気がしてたまらなくなった。

そのとき――…

ドッドッドッダンッガンッ……!!


今、何か聞こえた…?
いや、ちがう。あれは気のせい、気のせいだ…。
息ができなくなる。
「――ッ!ハアッ…ハア…」
そんなはずはない。あれは気のせい。おそらく私の幻聴なんだ。

ドッ!ドッドッ!!タッタッ!ガコーーーーーッン!!!

音がだんだん大きくなる。


私はもう耐えられなくなり走り出した。
ああっ!あの曲がり角、あそこを曲がればもう職員室だ。
私は曲がり角を曲がった………よね?

ドンッッ!!

私の頭に鈍い痛みが走る…。
…何が起こったのか、理解できなかった。
誰かにぶつかった?…だれに?
尻もちをついた私は、おそるおそる目を開けた。
そこにいたのは、きれいなきれいな青い髪。
どこかで見たことのある顔。その顔は青ざめている。
この人とぶつかったんだ。
私はそう思った。「すいません」と声をかけようと思ったのだが、

「うわああぁっ!!ごめん!!ごめんなさぁああぁぁい!!!」

青い髪の人のあまりの反応に声をかけられなかった。
「ごめん!!ごめんね!だいじょうぶ!?けがは!?」
「だ…大丈夫です…けど」
顔を見た瞬間にわかった。青い髪の人の正体は……!!
カイト…!!
でもどうしてこんなところに?
カイトは未だに、動揺をかくせない。
「ちょっと待っててね…!!がくぽっ!!がくぽおおっ!!」
がくぽって…あの…。


少ししたら、紫の髪をなびかせ、がくぽが登場した。
「ここにおられたのか、カイト殿!」
「う…うん…」
「それよりも、またメイコ殿を怒らせたのか?カイト殿をさがしておったのだが…」
「知らない!知らない!!ぼくがメイちゃんのアイスを勝手に食べたなんて知らないよ!」
「…………」
分かりやすい奴。そう思った。
「おや、そちらは?」
やっと私の存在に気付いたがくぽが訪ねてきた。
「初めまして。鏡音リンと申します。2年薔薇組です」
すると、がくぽの澄んだ紫の瞳が美しくにごる…。
「ほう…。黄色い髪にその瞳…気に入った。うまそうだ…」
「え…え!?」
がくぽは、ぐいっと私を顔によせる。
口からはキバが見えていた。
こいつ…私を喰う気なんだ。
(やっ!いやっ!!はなして!!!)
ウソ…、声が…出ない…。
ついには体が動かなくなった。
「がくぽ!やめろ!!目を覚ませ…!!」
カイトが力いっぱいに私とがくぽを引き離そうとする。
「…おや?俺の邪魔をするのか、…カイト」
がくぽの人格がさっきとはかなりちがっていた。…こいつは一体何者!?
「ふふっ。俺の邪魔をする奴は、消す」
そう言った瞬間だった。がくぽはカイトにふれたわけではないのに、カイトが宙を舞う。
ドッ!!
鈍い音と共にカイトが廊下にたたきつけられた。
「…さあ…。いただこうか、リン」
その言葉を聞いたとたんに、体が浮く感覚に襲われた。

がくぽ…が…くぽ…サマ……。

我に返る。目の前でほほ笑んでいるのは、がくぽ『様』。
「どうぞ…がくぽ様」
私は顔をがくぽ様に……。
心臓が高鳴る。
ドクン…ドクン…。



「だから嫌なのよ。カイトとがくぽは」
突然の声に、がくぽ様は、声の方向を見た。
「……だれだ。お前らは」
「あ~らあら。ついには、先輩の顔と名前も忘れちゃった?」
声の主が姿を現した。
「この、バカめが」
赤い服を着た女性は、そう言うとがくぽ様に歩み寄る。
後ろには、二人とも、緑色の髪の女性の姿があった。
「お前らも、俺の邪魔をするのか。…下がっていろ、リン」
私は、がくぽ様に言われるがまま、後ろに下がった。
そこには、青い髪の男性がよだれをたらしながら、気持ち良さそうに寝ている。…こいつの名前は何だっただろうか?


がくぽ様は、紫色に輝く日本刀を抜き、手に持った。
あの女性の顔は、笑っていた。





◆◆◆重音テト 親友の行方◆◆◆
≪教室にて≫
ざわつく教室。
その理由、それは――…
「だれか!鏡音リンさんを見ていませんか!?」
巡先生が叫ぶ。
もうとっくに休み時間は終わっているというのに、もう授業が始まる時間だというのに。
リンが姿を現さない。
「本当に誰も見ていないんですね!?」
ああ…あの時、リンと一緒に職員室にいけばよかった。そうしたら、こんな騒ぎにならなかったはず。





………リン…どこにいるの?

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

ドリームミュージック ♪リンとレンの夢の歌♪ 第四話

話の意味がわからなくなってしまいました。
すいません。

閲覧数:81

投稿日:2011/09/16 19:01:04

文字数:2,231文字

カテゴリ:小説

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