「只今」
学校から帰った僕は台所に立つ母に帰りを告げた。
「お帰りなさい」母はこちらを見ずに返した。
姉が出て行って三ヶ月。
姉ばかり可愛がる両親は姉に電話してばかり。
一日に五回は電話して三回は出てもらえずにいる。
こんな生活だけどとりあえずは自由気ままで平凡な生活を送っている。
さて、そんな冷静な(自分で言っちゃうし)僕には生まれつきわかることがある。
“ヒト”の気配を感じるのである。死人に限り。
その力のせいで幽霊にとり憑かれかけた(乗っ取られかけた)こともある。
勿論、幽霊との会話も可能である。
学校が終わり帰宅すると姉から電話があった。
姉は僕が死人の気配を感じることを知っていた。
そして姉も生まれつき変な力があった。
人間の死ぬ時がわかるのである。
今関係ないんじゃないかっていうツッコミはなしで。
姉は開口一番、静かにこういった。
「私、もう少しで死ぬかも」
僕は何も言わなかった。
というより言えなかった。何故なら、
急ブレーキに悲鳴をあげるタイヤ。
何かの衝撃音。
人の叫び声。
液体の飛び散る音。
それを聞いてしまったから。
雑音だけを流し続ける携帯では姉の生死はわからなかった。
姉の死を伝えられたのは翌朝のことだった。
姉の死から三ヶ月経った今、僕は姉の部屋にあるベッドに腰かけていた。
扉の前に母が座っている。
眼に涙を湛えて僕と姉のリンと、友人の写った写真を眺めていた。
不意に姉の気配がして扉の方に目を向けると姉がたっていた。
母にばれないようにベッドをポン、と一回叩いた。
姉は母の横を通って僕の隣に座った。
暫く母を見ていた。
リンからは諦めたとも、哀しいともとれるような感じがした。
そして呟くように言った。
「ああ、私死んだんだ」
僕はうつむいてリンにわかるように頷いた。
堪えていた涙が、片眼から零れた。
姉の魂が未だここを彷徨い続けているのを、ヒトは知らない。
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