ウトウトしたまま僕の体
優しく叩いている誰かの手
どうして鼓動とぴったりなの?
朦朧とした意識フェードアウト
安らかな寝息に合わせて
聞こえてくる小さな鼻歌
どうして脈拍を知っているの?
泥濘とした脳裏ホワイトアウト
少し離れた暖炉みたいに
燃え盛っているのに怖くない
いつまでも真っ赤で揺らぐのは
僕が見つめすぎたせいなのかな
フラフラしたまま僕の足取り
ゆっくり受け止めた誰かの背
どうして歩幅と一緒なの?
妄想にした痕跡ブレイクアウト
高らかなイビキに沿わせて
静かに上がってく口角は
どうして僕には見せないの?
黙々とした策略ブラックアウト
寒い朝のココアみたいに
炭みたい黒くても痛くない
いつまでも真っ赤に染まる頬は
君が見つめすぎたせいなのかも
何度でも繰り返す小さな失敗
その数だけ笑顔が緩やかに返る
何度かにひとつだけ小さな成功
その倍だけ笑顔が耳元できらり
ようやく捉えた夜空の光ひとつ
抱きしめたコートの隙間から
指さすと誰よりも喜んでくれた
ぼんやりとして名前も知らない
表情を忘れてしまっても
感情を忘れてしまっても
心証を損なってしまっても
勲章を汚してしまっても
最初も最後も変わらなかった
誰よりも進んでいなくても
憂いも悔やみも全部バレた
どうしてわかったのかな
一日が振り出しに戻っても
今は少し暖かくなって
摘まんだ指先に脈が走る
おんなじだなおんなじだね
きっとそれは間違ってるんだけど
いっしょだなって気がした
そうしておぼつかない足跡を見て
今日も笑顔が増えていった
また何度も忘れてく
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