手のひらにのる幸福
床に落下した
合い鍵 結んだ赤い紐
この部屋に残るのは
軽い缶ひとつ
中にも ドロップひとつだけ
覗きこんでみるけど
きみの好きだった色はなくて
手の温度も 一緒の明日も消えて
耳の奥に いつまでも焼きつく
シャッター音
写っているきみは 背中ばかりだ
ぼくには、これだけだ
ここにいない ただそれだけなのに
こんなに息苦しいんだ
夜になる世界に
舞い落ちた あの日のポラロイド
“大恋愛” その最期
なんてあっけない
なんてさ 笑って見せたけど
ふと浮かぶたびに また
むねがきゅっとなる
止められなかった その背中
どこに行ってみたって
きみの好きだったものばかりで
観覧車も ひどい後悔も廻る
きっといつしか なにもかも褪せてく
まっさらに
思い出さないのが 日常になってく
それでも、行かないで
鍵をすれば アルバムは減らない
だけど増えもしないんだ
握るきみの鍵は
冷たくて すでにただの鉛
きみの両手に 護られてた記憶、幸福
夕暮れのベランダ 溶けて滲んだ
ファインダー越しの空
缶の中から零れてく一粒
ぼくが好きと言ってた色
写真嫌いだった きみの背に
つのる月日の面影
静かに閉まるドア
さよなら ポラロイドロップ
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