いつの間にか走り出していた





雨の音とあの人間の冷徹な言葉が頭の中で駆け巡る中





私は覚悟を決めた







秘蜜~黒の誓い~第三話【天使の堕ちる時】






この広い屋敷を走り回り、やっとミクのいる部屋にたどりついた

「ミク!」

「…リン!?どうしたの?ずぶぬれじゃない!」

「あ…雨降ってから」

ミクの優しい微笑みと、暖かい声に頭に上ってた血が引く

この天使のような少女を穢そうとしてるあの男を許さない




ミクが暖かいココアを淹れてきてくれた

その暖かさに、つい自分の怒りを忘れていた

落ち着く 暖かい

でも、このようにゆったりとし続けることはできない

「そうだ…!ミク!あの男と結婚しちゃだめだ!」

「え…?どうしたのいきなり」




私はがくぽの口から発せられた冷徹な言葉をミクに伝えた

あいつの狙い

あいつが利用していること

最後はどうするきなのか

全て話終わって、私はミクを見つめた

信じてミク…!信じて!

私が目をぎゅっと瞑って祈っていたら

その心は砕かれた






「そんなわけないじゃない…リン、見間違えたんじゃないの?」




私は立ち尽くした

信じてもらえなかっただけじゃない。疑われたのだ





ミクはルカと偶然会って一応面識はあるらしいが、親戚と紹介されていたらしい


「ルカさんはがくぽさんの親戚の人よ?一緒にいたって不思議じゃないわ」

「でも…!」

「ごめんなさい、でも、私はがくぽさんを信じてるの」

「―――っ!!」

私の頭はいつの間にか真っ黒になっていた

あの男を あんな最低な男を信じる?馬鹿げてる

ミク、君は騙されてるんだ、信じてくれないのか?

無意識に彼女へ手が伸びる





「…リン?っきゃ…」






私はいつの間にかミクを抱き寄せ

ミクに口づけをしていた

あんな男を信じないで 私を信じてと

しかしその気持ちも届かなかった





「――――っやだ!」

私はミクに突き飛ばされた

そのとき、やっと正気に戻った

何をしているんだ自分は

この気持ちは抑えると決めたのに



ミクの瞳が涙で揺れる

「ど…して…」

宝石のような瞳に涙をため、私を責める

そうか 君は“今の私”じゃダメなんだな

心に剣が刺さったような痛みが走る

大切な人を泣かせてしまった

私は微かに微笑みをうかべ




「…ごめんな…」



そう一言を残し、ミクの前から姿を消した

わざと一枚の羽根を残して



「…リン?」













私は屋敷をでて隠れて泣いた

求めた果実には手が届かず

でも未だ恋い焦がれ

まだ手を伸ばしている

何か方法はないだろうか

彼女を救う方法は何か…






…あった

彼女のそばにもう一度行く方法が

彼女を救えるかもしれない方法が

しかし、それは天使の『禁忌』

天使が手を出してはいけないこと


だが構わない

彼女の涙を拭えるならこの手を取ろう



汚れない心などもういらない

君を愛して生きられるなら

私は喜んでこの羽根を切り捨て“悪魔”の手を取ろう…






私はやっとの思いで天界に帰り

厳重に封印されてあった箱のカギを開け“禁忌の箱”を開けた

そこには、一丁の銃

これが天使の最大の禁忌を招くモノ

私はこの禁忌の銃を自分に向けて

撃った









意識は遠ざかり、背中に焼けるような痛みを感じた

「う…っ」

私はそのまま倒れ、意識を失った













そのころ、ミクは残された一枚の羽根を拾い上げ握っていた

「…どこに行ったの?リン…」

少しあたりを見渡しても人影はない

胸騒ぎがした

すると、手の中の羽根が白い粉になってミクの手から落ちていった

ミクは嫌な予感がしてしょうがなかった

「リン…!?リン!!」



その声は、闇の中に静かに消えていくだけだった































ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

秘蜜~黒の誓い~ 第三話【天使の堕ちる時】


お久しぶりでございます皆様
あ、誰も見てないk(こら

久しぶりの更新ですが…
リンちゃんやっちゃいましたねひゃっはー!(゜∀゜) ←

この回は今んとこ一番書いてて切なかったでs(
歌詞を引用させていただいたところもありますがお気づきでしょうk(誰に聞いてる

次回めっちゃ頑張る予定です(
どうか暖かい目で見てやってくださいませ!

素晴らしい本家様→http://www.nicovideo.jp/watch/sm10282629

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投稿日:2011/05/07 15:28:21

文字数:1,711文字

カテゴリ:小説

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