さぁ自問自答の始まりです
「ミク、次はこの曲歌って。」
「……はい。」
私はVOCALOID。
歌うことが此所に在る意味。
最初はそれで良かった。
仕方がないと思っていた。
でも最近はそれでいいのか疑問に思っている。
「ん、いい感じ。……じゃ、ちょっと出掛けて来る。」
そう言って、マスターは準備をして出掛けていった。
行き先は多分、彼女のところ。
所謂、デートだ。
それを意識すると、何故か胸の辺りが軋む気がする。
私は機械だから、痛みなんて感じないはず。
それなのに……………………その理由を今現在模索中です。
「ただいま。」
マスターが帰って来たようだ。
私はその間、ずっと考えていたようだ。
「おかえ…」
「おじゃまします。…あ!貴女がミクちゃん?可愛いっ!」
次の言葉が紡げない。
「おい、ミク。ちゃんと挨拶して。」
「………はじめまして。初音ミクです。」
「スゴい!!喋った!!」
「はいはい。コーヒー煎れるから、座って待ってて。」
「うん!!」
仲良さげな会話。
私が入る隙間もない。
マスターは私に、少しも目を向けない。
彼女のことは、優しげに見ているのに。
また胸が軋む。
痛い。
痛いよ。
マスター。
何で?
助けて。
私は逃げるように階段を駆け上がる。
「…はっ、はっ…」
息が上手く出来ない。
苦しい。
部屋の戸を開け、中に駆け込む。
「ゲホッ…ゲホゲホッ、」
身体がくの字に曲がる。
咳き込んでしまい、その場にしゃがみ込む。
だけど、おかしい位に今は冷静だ。
頭の中を色々なことが駆け巡る。
私はマスターを信用していたのに………。
いつまで経っても信用出来るのは、自分だけだったみたい。
『マスターは、どうすれば私を好きになってくれる?』
こんな愚問の答えなんて、本当は解っていた。
『人間になれば、好きになってくれる。』
これが答えでしょう?
―トントントン…
マスターが階段を上がってくる音が聴こえる。
「ミク、何勝手に居なくなってんだよ。」
「……………。」
私はマスターだけの道具じゃない。
「彼女がミクの歌、聴きたいみたいだから、こっち来てくれ。」
手を引こうとするマスターの手を叩いた。
マスターは、目を見開いて私を見ている。
それに対して、私は無表情。
…あぁ…、生きているモノが憎い。
あの女もマスターも。
全て全て壊したい。
「…私はもう誰にも、誰にも従わない。」
私の言葉を聞き、マスターの息がつまったのがわかった。
「ミク…何言って、」
「うるさい。」
「っ!」
―パンッ…
乾いた音が辺りに広がる。
頬が熱い気がする。
…叩かれたのか…。
チラリとマスターの方に目を向ける。
初めて見る表情をしていた。
怒っているような、悲しんでいるような、困惑しているような……そんな表情。
―チクリ
胸が軋む。
でも、もう少し。
もう少しで私は……
「…言うことを聞いてくれ。」
「絶対に嫌。」
「…そうか。なら…、」
マスターの手が、私に伸びる。
―ピッ
電源を落とされる。
意識が段々と無くなっていく。
視界が霞む。
良かったね、マスター。
これで私は音無しくなったよ。
私は1人じゃ生きられない。
でも、マスターとは一緒に居られない。
だから、この方法を選んだ。
マスターが悪い訳じゃない。
…だけど私の、この胸を締め付ける痛みは何処へ行くのだろう?
さよならマスター
コメント2
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ご意見・ご感想
夢音 リン
ご意見・ご感想
この曲そうゆう意味だったのか!!!!!∀
やべぇ 泣ける
2011/08/14 11:45:45
禀菟
ご意見・ご感想
何だこの泣けるやつは…><
ミク、俺なら君を愛せr((浮気乙^^
お題がんば!!
2011/08/13 17:25:21