真夜中、一人きり星を見つめる
歯車の眠ってたガラスの瞳で
不安な気持ちのまま目を閉じたら
見慣れた夢がすぐ始まる

荒涼な星座の原野の只中で
水素の水面(みなも)に浮かぶ無数の星
今日降ろされたのは多分オリオン座
一つだけ開いてる青い穴

吸い込まれた先は人の居ない回廊
透明な宇宙の中続く一つきりの道
火種を一つ手に薄闇をひた降(くだ)る、
どこまでも降りてゆく意味も知らずに

銀河の渦巻く星は
思い出へと降る回廊だ
崩れそうな銀の螺旋描いて
深い夜の底へ


太陽系はもう遠く遠ざかり
底へ潜るたびに宇宙は寒さを増す
水晶のランプに灯した明かりも
灯した片っ端から消えていく

上下逆さまに続く銀の螺旋
足元の表裏で別の僕と「コンニチハ」
宙吊りで歩く透明な僕は泣く、
「繋がれてる足が痛い 痛いよ」

光と星骸(レムナント)の紡ぐ不確かな線は
足を掛けただけで脆く割れそうで
「崩れ落ちたら帰れない」なんて
そんな狂想も夢に見るくらい

銀河の渦巻く星は
僕の胸に降(くだ)る回廊だ
思い出したくない出来事まで
「さあ、おいで」と手招く


リンドウの三角標 唯一消えないで続く灯
ああ、どこまで続くこの原野 どこまで どこまで どこまで

銀河の渦巻く星は
僕の記憶辿る回廊だ
凍りついた思い出は僕が
永遠へ着くのを待ってる

真空の寒さに震えて
それでも足を止められない
手にしてた火種ももう消えた
さそりの火はどこ?

凍える宇宙を渡って
星の螺旋回廊降りて
その水底へと至ったなら
今度こそ 目が覚めないで


早く早く、ここまで来てくれないか
眠りにつく前に
すべてが終わる前に

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

星の螺旋回廊

―――手遅れになる前に、早く。
「紅」より続く新たな革命シリーズの一遍です。時系列は「キボウノウタ」より後ですがまたしても不安な歌。
何と言うか、前作で救出されたっぽい誰かの心中を書いたものとなっています。解放はされたけど、縛られていた世界から自由になれないで足掻く人。世界観はきれいですがこんな夢確かに見たくねえ(笑)

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投稿日:2014/04/27 22:55:54

文字数:698文字

カテゴリ:歌詞

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