そしてしばらくして、児童養護施設の調理室に雅彦とワンオフのミクと園児たちがいた。全員で分担して調理をしている。作っているのはカレーとサラダで、カレーに関してはほぼ終了しており、今はサラダを作っていた。手慣れた様子でサラダの具材を切る雅彦。
 「安田教授」
 雅彦の隣でサラダの具材を切っている園児の一人が雅彦に声をかける。
 「どうしたんだい?」
 「カレーは安田教授の好きな料理だって本当ですか?」
 「…好きというより、思い出のメニューだね。僕が施設にいた時には良く出ていたから」
 「そうなんですか」
 雅彦は児童養護施設で高校卒業時までお世話になっていた。その時、カレーとサラダのセットは良く出てきたメニューだったので、雅彦にとって思い出のメニューになっていた。カレーは一度に大量に作ることに向いており、人気のメニューでもあったため、今回作ることになった。大量の具材が必要だが、初音ミク基金では類似の案件を多数こなしており、その際に独自に大量の食料を調達できるルートを確保していた。
 「…ミク、カレーの方は大丈夫?」
 カレーを担当しているワンオフのミクに声をかける雅彦。カレーの方は調理は一通り具材を入れ終わり、後は煮込むだけである。
 「…大丈夫です」
 「焦がさないように気をつけてね」
 「はい」
 そういいながらカレーの入った鍋の番をしているワンオフのミク。周囲には良い匂いが漂っている。ごはんの方も同時に炊飯しており、調理の方では大きなトラブルは発生していない。
 「…安田教授」
 そうしていると、坂井が調理室に入ってきた。
 「どうしたんだい?」
 「機材の設置が完了しました。機材のテストを兼ねて軽いリハーサルをしたいのですが…」
 「…ミク、リハーサルに行って。鍋の番は誰かに頼んでね」
 「はい、…それじゃ、お願いね」
 鍋の番を志願してくれた園児に鍋の番を頼むワンオフのミク。
 「…それでは、坂井さん」
 「はい」
 そういって、部屋を出る二人。そうしていると、一通り具材を切り終えたので、料理のチェックを行う雅彦。そうしていると、今回のライブ会場になる部屋から、音楽とミクの歌声が聞こえてきた。歓声が上がる調理室。
 「…みんな、ミクのライブは後で聴けるから、調理に集中してね」
 しっかりと釘を刺す雅彦。
 『はーい』
 そういって、再び調理に集中し出す園児たち。雅彦は料理のチェックが終わったので、今度は食事に使う食器の準備を始めた。

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初音ミクとリンクする世界 初音ミク編 3章6節

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投稿日:2017/08/27 00:42:14

文字数:1,039文字

カテゴリ:小説

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