●美里さんたちのカフェ

「実はね、こんど私たちのところで、カフェをやることになったの」
ツナちゃんが、ソラくんに言った。

「カフェを?」
「そうなんです。立ち話もナンですから、ちょっとかけません?」

ソラくんは、美里さんとツナちゃんと一緒に、公園のベンチに腰かけた。

「うちでやっている、この“ドナドナ号”が、結構好評なので、新しくお店を出すんです」
と、美里さん。
「もし、ご都合がよろしければ、そのお店にシェフとして、来ていただけません?」
「え、僕がですか?」
ソラくんはびっくりした。

●ソラくんのカレーが欲しい!

「お店では、この移動カフェと同じ、コーヒーと、そして軽食も出すんです。ソラさんの美味しいカレーは、とってもファンが多いみたいだし」
美里さんの言葉に、うんうん、とツナちゃんはうなずいた。

「よろこんで!」
ソラくんは笑顔で返事をした。
「ぜひ、よろしくお願いします」

「わあ、よかったですね!課長」
ツナちゃんは、にこにこして言った。
「ソラさんのカレーさえあれば、“ボイス・カフェ”なんかに負けないぞ」

●「ギャル社長」ミクちゃんには負けないゾ

「ボイス・カフェって...あの、ショッピング・センターのカフェですか」
「そうなのよ。知ってます? いまあそこで、ミクさんのキャンペーンをやってるの」
ソラくんの問いに、美里さんは言った。

「ミクさんって...ひょっとしてキディディ・ランドのミクさんですか?」
「そうですよ。彼女はいま、高校生ながら“ギャル社長”ってよばれてるんです」
ツナちゃんが言う。

ソラくんは、目をむいた。
「ミクさんが、ギャル社長?どういうことですか?」
「あら、ご存じなかったかしら?今じゃ、ちょっとした有名人よ」
美里さんは言った。

「ギャル社長が、カフェのキャンペーンを...」
ソラくんは、頭をひねった。
「ひょっとして、カフェで“大食い大会”をするとかですか?」

めずらしく、ツナちゃんがツッコミを入れた。
「そりゃ、ギャル社長じゃなく、ギャル曽根だよ?」

(パート3に続く)

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

玩具屋カイくんの販売日誌 (78) ソラくんの転職 (part2)

ソラくん、新たな職場に!でもなにやら、ライバルがいるようです。それは次回にて。

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投稿日:2010/10/09 22:28:54

文字数:883文字

カテゴリ:小説

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