閲覧注意
今回も相当に気持ち悪いです。
食事前にはくれぐれも見ないようにしてください。
それ以外の時間に見て、嘔吐感を覚えた、頭が痛くなった、食欲が減退した等の被害が発生しても責任持てません。
もし些末でも不安があれば閲覧しないで下さい。
それでは、覚悟できたかたと耐性のある方だけどうぞ。
悪食娘コンチータ 第二章 コンチータの館(パート10)
「しかし、一体何を作ったのです?」
夕餉の時間が訪れたことを知らせに来たレヴィンは、厨房で形ばかりの盛り付けを終えたシオンの元へと訪れると、即座に鼻を摘んでそう訊ねた。レヴィンと同じく厨房を訪れたリリスもまた、明らかに嫌悪するように表情を歪めて、うわ、とだけ呟く。
「なんでもいいのだろう?」
その問いに対して、シオンは何事もなかったかのように、そう答えた。盛り付けられた皿の上にはすでにクロッシュが被されいて、直接に中身を確認することができない。だが、臭覚を狂わせるような強烈な腐敗臭だけが周囲に満たされていた。
「確かに、そう言いましたね。」
レヴィンは何事にも興味を失った様子でそう答えると、肩を竦めながら言葉を続けた。その間に、リリスが鼻を押さえながら、ワイン樽に含まれた、例の人肉酒をワインボトルへと移し変えている。
「では、参りましょうか。」
リリスの準備が整ったことを確認すると、レヴィンは自ら先導してバニカが普段食事を摂る館の食堂へと案内した。一階の中央部分に用意されている食堂へと向かい、レヴィンが仰々しくその両扉を開くと、その奥には、既に十分に腹を空かせているらしいバニカの姿が見えた。
「コンチータ様、お食事をお持ちいたしました。」
食堂に入るとすぐに、レヴィンが深々と一礼を行いながら、そう言った。
「新しい料理人は見つかったのかしら。」
「はい。こちらに。シオンと申します。」
レヴィンはバニカの問いにそう答えると、食堂へと身体を移し、レヴィンの背後に控えていたシオンを食堂へと入出させた。遠慮なくずい、とバニカの目の前に姿を現した新しい料理人の姿に、バニカはふ、と瞳を細めた。
「手際がいいわね、レヴィン。さて、一体どんな料理を食べさせてくれるのかしら?」
バニカはそう言うと、心から楽しむように艶かしい、真っ赤に染まった舌をちろりと出して、精力の失せた、血色の悪い自らの上唇を軽く舐めた。成程、こいつは狂人だ、とシオンは考える。バニカの視界は何処を見つめているのか、だた爛々と輝く瞳にまともな景色が見えているとは到底思えない。落ち窪んだ頬は、まるで薬物にどっぷりと浸かった廃人のような感想をシオンに抱かせた。自らとは似ているが、少し違う、だが大きく見れば同種の、堕落者。
「力作ですよ。」
自然ににたり、とした笑みが毀れたのは同属に対する何らかの愛情からか。シオンは不思議な親近感をバニカに感じながら、極力丁寧に、手にした皿をバニカの目の前に置いた。だがそれと同時に、かちゃり、と不細工な音が食堂に響き渡り、即座にレヴィンが、まるで汚物を見るような瞳でシオンを睨みつける。
「変な臭いがするわね。」
「特製のソースですから。」
バニカの問いに対して、シオンは何事もなかったかのようにそう答えると、す、と食事に被せられたクロッシュを持ち上げた。その中身は。
「うぁ。」
思わず漏れた、悲鳴を抑えるような声はリリスのものであった。現れたものは、原型そのままに茹で上げられた鶏。その回りには、黒色の、どろりとした、ソースと言うには汚れすぎている液体であった。
「鶏の姿煮です。」
上からバニカを見下ろしながら、シオンはそう言った。さて、この女、この料理とも言えない料理を見てどう反応するか。普通の人間ならば、嫌悪と憎悪に狂って暴れだすか、即座に退席するだろう。だが。
「これは斬新ね!」
はしゃぐようにそう言ったバニカに対して、シオンは僅かに肩透かしを食らったような気分に陥った。確かに、この女、本当に気でも違っているのだろうか。
「早速いただくわ。ああ、この不可思議なソースは何かしら?発酵物は身体に良いと聞いたことがあるけれど。」
興奮しながらバニカはそう言って、レヴィンが皿の周りに置こうとしたナイフとフォークを半ば奪い取るように受け取ると、僅かに悩んで鶏の首元にナイフを当てた。そのまま、切り裂こうとしてぐ、とナイフが止まる。
「少しお肉が固いみたいね。レヴィン、もっと切れ味の良いものを。」
「でしたら、これを。」
すかさず、シオンが白衣のポケットから差し出したものは、料理用ナイフではなく、本来狩猟用に用いるハンティングナイフであった。どうしてそんなものを持っているのか、レヴィンは僅かに疑問に思ったが、そもそもシオンの素性は浮浪者であること以外、何の知識も有していない。元々は猟師であったのかもしれない、と考えているうちにもバニカはシオンからナイフを受け取り、さらり、と鶏の首を切り落とした。そのまま、骨付きのまま、がちり、と肉をくわえ込む。そのまま、まるで何も感じていない様子で、猟犬のような強靭な顎で鶏の首から上を噛み砕いていった。その姿に流石のレヴィンとリリスも言葉を失い、そして料理とナイフを提供したシオンですらも、バニカの喰らいっぷりに驚くというよりも引きつるような恐怖を感じながら呆然と立ちすくむ。そんな中、バニカだけは我関せずと言わんばかりに、ただ骨を砕くごりごりとした音だけが食堂の中を不気味に響き渡った。
「ああ、これは新しい味だわ。」
多少の時間をかけて鶏の頭蓋まで喰らい尽くしたバニカは、やがて満足したようにそう言った。そのまま、興奮したような饒舌で言葉を続ける。
「鶏の羽もなかなか面白い食感を与えるわね。軟骨に近いのかしら。ちょっと羽毛の口ざわりが悪いけれど、これはこれでありかも知れない。それに、骨髄の歯ごたえは流石に食べ応えがあるわ。ああ、何よりも鶏の脳みそ。少し臭みがあるみたいだけれど、これは単体でじっくりと味わいたいわね。それからこのソース。あらゆる味を感じるわ。甘味も、塩味も、苦味も、酸味も全部感じる。素晴らしいソースだわ。ああ、シオンと言ったわね。素晴らしい料理だわ!」
「お、お褒めの言葉、光栄、です。」
バニカの視線に射すくめられて、シオンはごくり、と喉を鳴らしながらそう答えた。間違いない。この女は狂っている。ゴミ箱の奥に溜まっていた腐った液体を食べて、しかもそれが美味だという。全部の感覚が狂っている。そうに違いない。
「ねぇシオン、この小さな虫は何かしら?」
続けて、バニカはスープに浮かんだ白い物体をナイフで指し示しながら、そう訊ねた。まともに答えるべきか、誤魔化すべきか、シオンは僅かに悩んで、結局そのまま、事実をバニカに伝えることにした。これで何らかの反応があるはずだ、と考えたのである。
「蛆ですね。」
「そう言えば、蛆を食べたことはないわ。」
だが、シオンの考えとは異なり、バニカは何事もなかったかのようにそう答えると、一度ナイフを置き、先程レヴィンが用意していたスプーンに右手を持ち替えると、蛆ごとスープを掬いだした。そのまま、物音も立てずに蛆入りの汚物を口に含む。
「ん、ぷちぷちつぶれて気持ち良い。」
ぐ、と何度か咀嚼して蛆を飲み込んだバニカは、深く味わうようにそう言った。その態度に、シオンは思わず一歩後退する。材料を伝えてもこの態度。おかしい、この女は本当におかしい。気持ちが悪い。
「あは、心臓だ。」
がつがつと止まることなく食事を続けてとうとう鶏の心臓部にまでナイフが到達したらしい。フォークに鶏の心臓を突き刺して引き上げたバニカの横顔が、シャンデリアに灯された蝋燭の明かりに小さく浮かび上がる。ぽとり、と心臓から毀れたものはソースか、或いは固まりきらなかった鶏の血液か。ゆらり、と騒ぐ蝋燭の影と同調するようにバニカは大きく口を開け、そして心臓を丸ごと、その口へと押し込んだ。
「美味しい。」
弾力のある心臓を咀嚼し終えて、バニカは恍惚するように空を仰ぎながら、満足したような笑みを漏らしてそう言った。
悪魔だ。
シオンは思わずそう考え、そしてもう一歩、震える足を何かから逃れるように後退させた。
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押しあいへしあい旅立ちを待つ
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ご意見・ご感想
tio
ご意見・ご感想
お久しぶりです(=・ω・)/
ハーツがなかなか更新されていないことが気になっていたのですが…
まさかのコンチータ!!
さらにハーツ休止( ̄□ ̄;)!
ショックと期待でごっちゃの心、どうしてくれるんですかー!!笑
いやいやコンチータ様面白いですよ?大変楽しく読ませていただいています
グロ耐性ばっちりですんでどんとこい!です☆
楽しみにしてますんでがんばってください(^^)v
そして、ハーツも無事に完結することを願っています
2011/10/27 19:12:54
レイジ
お久しぶりです?!
ハーツ休止すいません^^;
ちょいと話が大きくなりすぎて、一度整理しないと自分の中で納得できなくなりまして。。
コンチータは最後にマックスにグロくなるので、是非お楽しみに☆
ではでは、コンチータ並びにハーツが完結できるよう頑張ります!
コメントありがとうございました!
2011/10/29 09:15:39
Easy Pop
ご意見・ご感想
コンチータだって見たけどまさにコンチータでしたww
おもしろかったのでブクマさせていただきました^^
2011/10/24 16:25:08
レイジ
コメント&ブクマありがとうございます!
ちょいと生々しい文章になっていますが・・お楽しみいただいて幸いです。
これからもよろしくお願いします!
2011/10/25 22:18:40