「あぁ、どうしよ!」
「うるさいよー、ミク姉」
高鳴りがとまらない、抑えられない!
だって今日だってねぎを五十本しか食べてないもの!
つい先日来た新しい家族、私の年上の弟
すらりとした体、さらさらと穏やかな川のように流れる紫の髪
凛々しい目、麗しい唇、あー、好き好き、一目ぼれ! 高鳴りがとまらない!
「ちょ、ちょっとい、痛い、ぐ、ぐるじぃっ!」
「あぁ、私の王子様!」
「リーンー、調整のじか・・・・・ってミク姉! リン死ぬ! 首はだめっ!!
やめてええええええええええええええええっ」
KAITO兄さんと話すあの後ろ姿! あっふん、たまらない!
あの紫の長い髪で
ー寒いだろう、ほらこちらへおいで姫ー
ーあっ、は、恥ずかしい、でも、あったかいですわー
ー可愛い姫、離したくないー
ーく、くすぐったいですわ、だ、だ、だめぇぇぇええええええっー
「メイコさん、この子何をやっているのでしょうか?」
「そうね、病気ね、病気・・・・・・・色んな意味で」
「えっ、それならマスターにそうだっむぐ」
「いいの、いいの、アレは無視していいのよ、ルカもいつか分かるわ」
「ああぁん! ダメですわっ! あーれー」
寝ている、寝ている、ふぅーふぅーふぅー、くんかくんか
「はっ、これじゃあまるで私変態だわ! オーノー!!」
し、しまった興奮のあまり鼻血が!
乙女の大敵め! この純白の鉄壁(ティッシュ)でせき止めてくれよぅ!
目の前で寝ている麗しい横顔、何でこんなに綺麗なんだろう
どうして、私はこんなロリっ子で可愛い子に生まれてしまったのだろうか・・・・
彼に似合うスマートで綺麗な人に生まれてたら、隣に垂れたのかな
「むぅーちゅっ」
寝ているほっぺに、ちゅーしちゃった!
顔を赤らめて照る私、めっちゃ乙女ですよ! はぁん、マスター
私にも春が来てます、春まっさかり!
桜も満開過ぎて・・・・・・埋もれちゃってます
「もっかいちゅー」
やわらかいほっぺに私の愛をそっと乗せて、忍び足で部屋を後にする
「・・・・・・・・・どうすればいいんだろうか」
後ろでそんな呟きがあるなんて知らなかった
「GUMIたーん、GUMIたーん」
「あ、ミクさん! どうしたんですか?」
「恋してますかー」
「してませんよー、ってか私たちVOCALOIDですよ? 恋なんて・・・きゃっ!」
「乳よこせやあああああああああああっ!!」
「ちょ、ちょっと! なにしてるんですかっ! や、やめてくださいぃ」
「メイコさーん、ミクちゃんが暴れてますよー」
「はっ! メイコさん! ルカさん! 助けてっ!」
「ルカちゃんも乳よこせえええええええええっ!」
「きゃっ! な、なにするの! や、やめなさ、ちょ、ちょっと!」
「あー、殿様がきたわよー、ミクー」
メイコ姉さんの声に私はいつもの可愛いスマイルを浮かべる
しかし、きょろきょろと辺りを見渡すもそこに輝くオーラをもったその人は居なかった
メイコ姉さんめ、嘘ついて・・・・・・
ってあれ? 体が浮いた?
「ぎゃああああああああああああ!」
「うるさいですぞ、ミク殿」
目の前に淡い光を放つ月光があああああああああああ
目の前に燦燦と大地を照らす太陽がああああああああああああ
「じゃあ、ちゃんと責任取りなさいよ? もしこれ以上・・・・・・」
「わ、分かっている・・・・・・」
メイコさんの腕に震えたGUMIたんとルカちゃん
私は殿様に首根っこをつかまれたまま外へと連れ出された
お姫様抱っこがいいなぁ
「ミク殿」
あぁ、そんないい声で私の耳を侵さないでー
貴方でいっぱいになってしまうー
え?なんで私のほっぺに柔らかな潤んだぷるんぷるんの唇がついているの?
「す、少し散歩でも、ご一緒していただけないであろうか?」
きゃあああああああああ、ああああああああああああ
これは夢なのかああああああああああ
ちがああああああああああああああああう、だって私の小さな可愛い手が
大きな手に包まれてるもん
幸せだなぁ、えへへへ
「ミク殿、これ以上メイコ殿たちに迷惑はかけないで、頼むから・・・・」
鳴き、泣きそうな声の殿も素敵っ!
「もちろん! ずーっと一緒にだよ!」
殿がわらった! 私に笑った!
大好き! だーいすき!
「これで、落ち着くわね」
「そ、そうでしょうか? メイコさん」
「・・・・・・訂正、『たぶん』落ち着くわ」
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