3人が出ていったのを確認してから、ミクはこっそりとため息をついた。
「早くミクの王子様が発売されないかなー」と言いつつソファにダイブする。
ミクには、仮装しても見せに行く相手がいない。もともと男子不足のこの世界。その上ミクは圧倒的な知名度を誇る、言ってしまえば少し浮いた存在なので、誰も相手役に名乗り出ないのだ。もっとも、最後の理由はミクは自覚していないが。
あのドラマ最終回だけ残ってたんだよね、コンビニでお菓子買ってこようかなー、ていうか今日スタジオ使い放題じゃん。さびしくて、意味もなく独り言を口に出してみる。
「ぴんぽーん」……うちのインターホンはこんなに大音量じゃない。ていうか、音も違うし。
微妙にげんなりしながら扉を開くと…「ちゃーっす」ミクよりも黄色味の強い緑のショートカットがのぞいた。最近知名度や曲数などでミクに迫ってきているインタネ家のGUMIだ。
「おぉー、さすがミクちゃん!天使みたいじゃん」そしてGUMIは、ミク並みにテンションが高い。それが年齢も違うのによくつるんでいる理由だったりする。
「と言いつつGUMIちゃんもしっかり仮装してきてるじゃないすかー」「ちゃっかりしっかりー」しばらくにゃんにゃんしていたのだが、
「ていうかさ、なんでいきなり遊びにきたの?」ミクがいきなり核心に触れた。
「兄貴とルカちゃんがいちゃいちゃしてたから、なんか居ずらくてさー」
ああ、なるほど。たしかに、あの2人にいちゃいちゃされると未成年者としては肩身が狭いよね。うんうん。
「ミク、白馬の王子様がほしいよぉ…」「GUMIもほしいよぉ。兄貴たちなんか末永く爆発しちゃえ」はあー、とどちらからともなくため息をついた。
「……覗きにいこうか。」「おー、楽しそうじゃん…って覗き!?いいのか!?」
平気平気、と言いつつなにか考え込むミク。
「ルカ姉達は部屋にこもるんだろうし、めー姉に見つかったら後が怖いし…リンちゃんのところにしよっか」そして何やらひそひそと会話しながら意気揚々と出かける2人。まさか本当に覗く気なのか。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

trick or sweettime 2

続きがあるとか言いつつ、PCが壊れてしまって放置してました。
…ホントすいません。

閲覧数:111

投稿日:2012/11/04 19:19:16

文字数:866文字

カテゴリ:小説

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