「ああ~ ねむぅ~」
私、巡音ルカは布団の中でつぶやく。
・・・ちょっと今日は風呂上りにアイス食べ過ぎちゃった。
そんなことを考えながら布団にもぐる私。
せっかくお風呂に入ったのに湯冷めして、いっそう布団が恋しかった。
しかしまたもや、私の闘いが始まる。

びりりり。
なにか、いやな音がしたような・・・
めんどくさがりながら、その音の発生源を見てみた。
「・・・う~わ、きたよおい・・・勘弁してよぉ・・・」
見事に掛け布団のカバーが破けていた。
これではとてもじゃないがかぶってられない。もしその裂け目に足の指でも引っ掛けて寝返りしたらどうなるだろう。・・・当然折れる。
私はぞっとして、掛け布団のカバーを剥ぎ取る。
そして代わりのカバーを引き出しから取り出す。
・・・よぅし、ここまでは順調。さぁて、本当の闘いはここからよ、ルカ。
自分に言い聞かせる。

なにが本当の闘いか?
それは。

掛け布団本体への取り付け時の、あのうざったい細いひも!!
あれを全部一通り結ぶのが超めんどくさい。
「あ~あ、寝る前になんて重労働かしら・・・」
私はごくっとつばを飲み込み、気合をいれる。
そして、一番奥のひもに手を伸ばした。
そのまま本体とカバーの開いた空間にもぐり、ひもの取り付け作業に取り掛かる。
私はこう見えて、細かい作業が苦手。
私にとってはこれを根気よくやり続けられれば、それは甲子園に出場すること並に喜ぶべきことだ。
それを今やっている。
なかなか思うとおりにいかず、ちょうちょ結びがうまくできない。
・・・く。
・・・くく。
我慢できない。
「くっそぉ!!ひょろくせぇひもの分際で私に抵抗すんじゃねぇぇ!!!」
私は家が揺れるほどの大声で叫んだ。
すると、案の定ご近所に迷惑になった。
向かいの家の意地悪そうなおばあさんが家のチャイムを鳴らしてきた。
しぶしぶ私は玄関に出る。
「は、はい~・・・」
おばさんは私並みの声で説教を始めた。
「まったくね、こんな夜に叫ぶっていう、その非常識さがわからないね!だからここら辺の地域の子供は寝つきが悪くて背も伸びない、学力はあがらない、礼儀も・・・」
・・・あのぉ。
・・・ぶっちゃけ。
・・・子供の学力とか私に関係なくねっすか?

私はそのあと10分間説教されて、ようやく開放された。
・・・ったく、んだよぉ。
私はただでさえ面倒な布団取り付け作業とおばあさんの説教でだんだんストレスがたまってきた。
「もう、めんどくせぇ。やぁ~めたっ。このまま寝ちゃる!」
そういって向かったのは、大好きなお風呂場。
私は頭の中でこんなことを考えていた。
・・・たしか、ウォーターベッドとかいうのがはやってたなぁ。
・・・ウォーター・・・きっと風呂だわ!あったかい風呂の中で寝るのよね!
自分で納得して、早速衣類を脱ぎ捨てる。
「おっやすみぃ~~~♪」

浴槽に突っ込んだ。
しぶきが舞う。
私は、飛び跳ねた。
「冷たぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
そりゃそうか。時間たってるし。
さすがにもう冷えてるわ。


そのあとのアイスは、さすがに腹にきた。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

ルカVS布団(おばあさんも含む)

今回からはルカ自信の視点からです。
最近こんなのばっかり、私ルカと日常に飢えてるのかな!?

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投稿日:2009/12/18 16:00:20

文字数:1,293文字

カテゴリ:小説

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