「店長も、コーヒー飲みます?」
ルコ坊が、りりィさんにすすめる。
「そうね。じゃ、1杯お願い」
「はーい」
ぱたぱたと、店の奥へ入っていく。
それを見ながら、レンくんは、りりィさんに聞いた。
「テトさんの新製品で、気になる事って、なんですか?」
彼女は、ちょっと笑って答える。
「うん、大したことじゃあないの。私の思い過ごしだと思うんだけど」
そう言って、金髪をかき上げた。
「ニコビレの、紙魚子さんという方が、ちょっと変わった話をしてくれたのでね。ちょっと、それを思い出したの」
●皆さんに評判いいんですよ!
さて、その頃。
レンくんがバイトで勤めている、ゆくりさんのお店では。
「あいつ、遅いわねー。これはー、サボってるのかしらー」
ゆくりさんが、ブツブツ言いながら、売り場の棚の商品を直している。
すると、そこへ1人の男性のお客が、店に入ってきた。
「いらっしゃいませー」
ゆくりさんの声に、ちょっとオドオドした感じで、売り場に立ち止まる男性。
「あ、どーも。いや、ちょっと、お邪魔します」
ミドルエイジで、あまりパッとしない印象の人だが、身なりはちょっとオシャレだ。
彼は、ボソボソとした声で話し出す。
「あの、ここにある人形、いいですね、と思って」
彼が見ているのは、「テト・ドール・ナチュラル」。
テトさんたちが作った新製品なので、ゆくりさんは笑顔で答えた。
「あら、そうですかー。ええ、皆さん、そうおっしゃるんですよ。評判いいんです」
その、店の棚の一番上にある人形は、新製品の“サンプル”なのだ。
●一緒に作ってる方?
彼女は続けた。
「でも、ごめんなさいー、それ、まだ売り物じゃないんです」
男のお客さんは、にっこりとうなずいて言った。
「ええ。知ってます。実は、私、この人形を作ってるものなんです」
「あら?」
目を丸くするゆくりさんに、その人はゆっくりとジャケットから名刺入れを出して、名刺を渡した。
“イモイーモ出版企画・プロデューサー ホソノ晴大臣”
ゆくりさんは、ゆっくりと名前を復唱した。
「ほその・はるだいじんさん、ですか」
「いえいえ、すいません。はるおおおみ、と申します」
男の人は、何故か、謝りながら答えた。
ゆくりさんは、その表情を見て、ふと気づいた。
「あら、イモイーモ出版って。もしかして、テトさんと一緒に、このドールを作られてる方かしらー?」
(・_・?)
コメント1
関連する動画0
オススメ作品
舞い散る弓矢と 盤面の玉座に
これは僕らキセキの唄だ
北から南へ連鎖する
2006年2月
生まれて紡いできた
落ち込まないで
あなたの瞳で頑張れるから ねえ
小さな声のカケラでも
かき集めた景色は
僕らを愛する仲間と...青い夕凪の星唄

ゆうなぎ いく
この世界にたくさん人がいて
君と出会えたことが奇跡なんだ
蒼い空に溶けるメロディ
これからもずっとそばで聴かせて
はじめて君の歌声(こえ)を
聞いた日よく覚えてる
冷たい夜の隅で
心に灯りともった
季節が何度
巡ったとしても...蒼のキセキ

キッド
彼女たちは物語を作る。その【エンドロール】が褪せるまで、永遠に。
暗闇に響くカーテンコール。
やむことのない、観客達の喝采。
それらの音を、もっともっと響かせてほしいと願う。それこそ、永遠に。
しかし、それは永久に続くことはなく、開演ブザーが鳴り響く。
幕が上がると同時に、観客達の【目】は彼女たちに...Crazy ∞ nighT【自己解釈】

ゆるりー
素晴らしいこの世界
青く青く 君色になってく
素晴らしいこの世界を
信じ続けるから
過ぎ去った日々も また青くなっていく
大人になっても 君は変わらないね
記念すべき僕たちの未来は
青く青く咲く この町はまだ
懐かしくもなく育ってきたLOVE
これもまた僕たちを育てていく...素晴らしいこの世界 / KAITO & 鏡音レン

日咲p
ホットミルクをいれて
ブランケットをかけて
おやすみのまえに
お話しよ
ふかふかソファで空想
浮かべてさ
クタクタな夜でもモニター
にらめっこ
ひとりじゃ辿り着けない
書いては消したメッセージ...おやすみのまえに

lilija
振り返れば
長い道のり
僕と君とで
一歩ずつ 歩いてきた
おめでとう ありがとう
ここに立っているのは
みんなの愛のおかげ
創造羽ばたかせ生み出すことも
無限の海から探し出すことも
全部全部同じあいの形...全部あいの形

蒼井希男
クリップボードにコピーしました
ご意見・ご感想
enarin
ご意見・ご感想
今晩は、えなりんです。続きも拝読させて頂きました。
ホソノさん=Y○Oのネタ、でしたよね、まさかの制作者さんご来店!
私もワンフェスとかコミケとか参加させて頂いていてわかったのですが、クリエイターの中核の方って、もの凄く、”腰の低い方”、が多くて、こちらがもの凄く丁寧に挨拶し直すと、更に丁寧に挨拶してくれるので、逆にこちらが緊張しちゃいます。
売り子のお手伝いをさせて頂いた、プロのイラストレーターで漫画家の方、今でもたまにメールとか、コミケのお手伝いのお誘い(残念ながら家事が忙しくてお断りさせて頂いているのですが)を頂けるのですが、とても低姿勢で丁寧で、
『あー、これがプロたるゆえんなんだなぁ』
と思ってしまいます。
それと、お疲れさん飲み会で、その方から、”この世界で生き残るために本当に必要な事”を教えて貰いました。
技術(絵の巧さ、漫画が作れる)は当たり前ですが、実は、
『どの時間でも、いきなりでほぼ理由無しの”あー、これ、明日までに描き直して”の電話やメール』に耐えられる事
だそうです。これが我慢できれば、大概の事はなんとかなるそうです。
シビアな世界だなぁ、と思いました。
それでは次行きますね♪
2014/12/04 21:02:34
tamaonion
えなりんさん、メッセージありがとうございました。
>シビアな世界だなぁ、と思いました。
そうですね。でもものを作られる方って、みな意外と?低姿勢で腰の低い方が追いみたいですね。
内に秘めた情熱っていうことでしょうか?
> 技術(絵の巧さ、漫画が作れる)は当たり前ですが、実は、
> 『どの時間でも、いきなりでほぼ理由無しの”あー、これ、明日までに描き直して”の電話やメール』に耐えられる事
>だそうです。これが我慢できれば、大概の事はなんとかなるそうです。
なあるほど。編集やクライアントは、無理強いが多いですからね(笑)
人としての、付き合いが大切なのですね。
コミケとかに参加されると、そうした内幕に触れられるので、いいですね?
(などと呑気に言っていますが(笑))
ものを作る世界は、大変な世界ですね。「自由業は、不自由業」とは、よく言ったものです。
また、感想を聞かせてください!
それでは、また。
タマネギ
tamaonion
2014/12/07 13:01:32