しばらくはm.agnet関係ない上に謎のリンレンverでお送りいたします。
僕らの目の前には、一人の男が倒れている。
生きているのか、そうでないのかはわからない。
後悔はしない。この青い男が悪いのだから…
(レン…)
そばにいるリンが、何か話そうとする。
その声は、僕には届かない。ただ僕はリンを抱きしめた。
もう、離れないよ…
細かな震えが伝わってくる。あたりまえだ。今夜彼女がどれほどつらいめにあったか。
今夜の出来事で僕らの人生は一変した。この青い男が…いや。
すべてはあの時、三週間前、僕らのほんのささいなケンカから、始まっていたのかもしれない。
だとしたら、彼女を変えてしまったのは、僕だ…。
深い後悔が僕を包む。 もう一度、あの時に戻れるのなら…
モウ、戻レナイヨ。
「はぁぁぁぁーーーーっ!?」
僕は叫び声をあげた。ないない、よりによってリンが…絶対無いって。
「ちょっと、レン!時と場所を考えてよッ!TPOよTPO!」
リンもまた顔を真っ赤にしながら僕の口を必死にふさぐ。
まわりの客が制服姿の僕らを不審そうに見ていく。
そう、ここはまだ慣れない高校生活で疲れた僕らが、よく学校帰りに寄っていたハンバーガーショップ。(まあそれもこの前までのこと。ここに来たのは久しぶりだけどね。)
―はい、こんなところで叫んだ僕が悪うございました。
「でも信じられないよ、リンが芸能プロダクションにスカウトされた?たちの悪い冗談はやめてよ。なにかのドッキリとか?だめだよ今日は四月一日じゃなくて十月一日だよ、嘘ついちゃいけないんだよ?」
リンは素直に信じてもらえなかったのがしゃくに障ったらしく…頬をふくらませた。
「…レン、あんたにだけ私の将来の夢、話したことあったよね?」
「うん、歌って踊れるアイドルってやつだろ?あのときも僕全力で止めたじゃないか。歌は僕のほうがうまいんだからって、なぐさめてやったろ?」
「あのねえ!それはレンがうますぎるんだってば。私だっていくつか賞もらってんのよ?」…という彼女の話は僕の耳には届かない。
うん、あのときはまだ僕たちは付き合ってなかった…と思う。
というのも、今だって自信を持って「僕らカップル!」と宣言できるわけではないからだ。
ずうっと小さいころから一緒だった。友達以上カップル…んん、どうなんだろう。
でも、心の本当に奥の奥では、分かってた。
本当は、リンのことが好きだって。
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