傷つかず 気付かれないまま
眠りの中 ただ春を焦がれる
雪割草 けれど廻らずに
この季節が続くのなら


凍えた指と仕草
零れた言葉の意味 誤魔化して
近づけた距離の度(たび)
離れる視線

見え透いた期待閉じ込めて
去り際に忘れた硝子の靴
ひび割れた氷の向こうで
首をもたげた後悔に
呼吸が止まる

嘘を赦す優しさより
(繋がる先 辿り着けず)
この頬を打つ 痛みがいい
(滴り落ちる 赤い糸)


漣(さざなみ)に揺れる舟
ささくれていく胸の内隠し
遠ざけた日々の数
剥がれる仮面

浅ましく接吻(くちづけ)求めて
唇に含んだ毒の果実
忘れられ 誰も来ないなら
それでもいいと堕ちていく
冷たい静寂(しじま)

心解かす囁きより
(千と一の夜(よ)が過ぎても)
身体融かす吐息にして
(届きはしない夢語り)


孤独と自由に慣れていたはずの
心に絡まる甘い鎖に
蠱毒の誘惑 成れるはずない
そう諦められず すがり付いた。

愛して 愛して 私を あなたを
傷つけ 誰かを 裏切り 恨まれ
それでも それでも 隣に笑顔で
居て欲しいと 願った


思い出にする弱さより
想い告げる罪 選んだ

白の世界途切れ途切れ
ついには途絶えた足跡
消えた絆 消えない傷
抱えて泣いた 雪月花



(テキスト参考用)
きずつかずきずかれないまま
ねむりのなかただはるをこがれる
ゆきわりそけれどめぐらずに
このきせつがつずくのなら

こごえたゆびとしぐさ
こぼれたことばのいみごまかして
ちかずけたきょりのたび
はなれるしせん

みえすいたきたいとじこめて
さりぎわにわすれたがらすのくつ
ひびわれたこおりのむこおで
くびおもたげたこおかいに
こきゅうがとまる

うそおゆるすやさしさより
つながるさきたどりつけず
このほおうついたみがいい
したたりおちるあかいいと

さざなみにゆれるふね
ささくれていくむねのうちかくし
とおざけたひびのかず
はがれるかめん

あさましくくちずけもとめて
くちびるにふくんだどくのかじつ
わすれられだれもこないなら
それでもいいとおちていく
つめたいしじま

こころとかすささやきより
せんといちのよがすぎても
からだとかすといきにして
とどきわしないゆめがたり

こどくとじゆうになれていたはずの
こころにからまるあまいくさりに
こどくのゆうわくなれるはずない
そおあきらめられずすがりついた

あいしてあいしてわたしおあなたお
きずつけだれかおうらぎりうらまれ
それでもそれでもとなりにえがおで
いてほしいとねがた

おもいでにするよわさより
おもいつげるつみえらんだ

しろのせかいとぎれとぎれ
ついにわとだえたあしあと
きえたきずなきえないきず
かかえてないたせつげつか

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

雪月花

 のりPさんの、冬の曲に作詞させていただきました。曲はこちら。
http://piapro.jp/content/su6mg5f74fmcfq20

 許されない恋をしてしまった、愚かな少女の歌です。一見すると難解な歌詞ですので、本来ならばここで詞の解説を入れる所ですが、今回はあえて作詞者の思惑は伏せさせていただきます。

 タイトルは「雪月花時最憶君」という漢詩の一節から。
 雪や月、花の美しい時には、今はもう遠くにいってしまった君の事を思い出す、といった意味になるでしょうか。

 傷はずっと消えません。



 ゆっくりよんでいってね!!! 風杜鈴音でした。では、また。

 追記:前Verに詞の解説を付記させていただきました。どうしても不明な点がございましたらご覧ください。

閲覧数:323

投稿日:2008/11/04 03:32:48

文字数:1,154文字

カテゴリ:歌詞

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