部屋で久し振りに夜更かしをしていた。読み溜めていた本を片っ端から読んでいたら時計は夜の0時を差していた。筋肉痛は大分治まったけど、如何せんプレッシャーが凄いのよね…。夜更かししたら肌荒れするかも?だけど何か寝付けないなぁ…ラウンジでも見てみようかな?皆結構行ってるみたいだし…。ドアを開けて左右を確認、悪い事する訳じゃないけど何と無く見付からない様に行きたいわよね。

「…いよ…ほら、行くよ。」
「うん…りがと…。」

微かに声が聞こえた。エレベーターの方から?誰だろう…?1Fに向かったエレベーターを確認して1Fに降りる。ロビーを見回すけど人影は無い。と、足音が聞こえて慌てて身を隠した。浬音ちゃん?!それにシャルロット?!え?何?どう言う事?!

「暗いから気を付けて。」
「うん…。」
「ま、電気点ける訳には行かないだろうからな…。」
「ごめんなさい…!」
「良いから行くよ、待ってるんでしょ?」
「ん…。」

携帯のライトで足元を照らしながら2人が外へ出て行った。夜中の0時に、しかも2人で外にって…変に勘繰らざるを得ないんだけど…。暗闇に紛れてライトを見失わない様にそっと2人を尾けた。あれ?ここって…温室?こんな所に何の用なの?

「わざわざ済まなかったな。」
「全くだ…急に変なメール来るから何かと思ったら…。」
「…鳴兎…!」
「…よしよし…。」
「おやおや…見せ付けるねぇ。じゃ、俺はこの辺で。」

浬音ちゃんは子供みたいに三月ウサギに飛び付いた。ウサギさんの方も、嬉しそうに抱き返してる。こ、これって、つまり密会って事よね?そっか、ハレルさんとか帽子屋さんとか、何か浬音ちゃんにウサギさんが近付くの嫌がってるみたいだし…シャルロットはそれに協力してるって事で良いのかしら?

「鳴兎…。」
「こら、甘え過ぎ。」
「ん…ごめん…。」

わわわわ?!何か凄いイケナイ物見ちゃってる気分…出るに出れないしどうしよう…?でもこれじゃ私完全にただの覗きよね?!そんなのダメよ、絶対ダメ!ここはコソコソーッと見ないフリで帰るのが一番!

「…キスして良い?」
「でも…。」
「もしかして…また密さん拒んじゃった?」
「うん…。」
「…そう言う事言わない、喜びたくなるから…。」

うわ…わわわわわわ~~~~?!こ、これは私にはちょっと刺激が強過ぎると言いますか!!もういっそ叫んでダッシュで逃げようかな?!でもそんな事したらマズイし、ああああ…どうしよう?!目が見ちゃう~~~~っ!!

「静かに。」
「―――っ?!」

心臓が止まりそうになった。シャルロットに口を手で塞がれたまま引き摺られる様に温室の外へと連れ出された。

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  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

DollsGame-98.弟切草-

温室って夏場は涼しい。

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投稿日:2010/08/31 16:16:35

文字数:1,117文字

カテゴリ:小説

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