1925から始まるストーリー~その5~

投稿日:2012/05/04 15:15:42 | 文字数:2,109文字 | 閲覧数:189 | カテゴリ:小説

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ここまでこんな駄文にお付き合い頂き、誠にありがとうございます!!

三久のケジメ・・・メイコを振る・・・レンが切なすぎます。

次回で最終回になりそうです。

お楽しみに!!

1925から始まるストーリー
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TEXT
 

5~俺に出来ること・・・




「ごめんなさい!!無理です!!」

俺は叫び声にも似た声を上げる。
メイコちゃんはビックリして、少し体を後ろに反った。

少しの間合いをおいて。

「・・・そう・・・ですよね・・・何やってんだろ私・・・」

メイコちゃんは少し嬉しそうに、そして泣きそうに頬を染めて言った。

・・・気まずい。

「・・・さあ、もう行きましょうか」

場の空気を読んで俺が言う。

「ええ、本当にごめんなさい」

2人共すっかり酔いが冷めていた。



この後とても気まずい雰囲気の中、特に話をすることなく俺はメイコちゃんの家まで送っていった。



・・・次の日の朝。

本当に三久は家に帰ってこない。

「頭痛い・・・」

俺は水を飲みながらTVのリモコンのONボタンを押す。
朝のニュース番組の、エンタメのコーナーだった。

〈フォークシンガー、皆東学の娘の・・・〉

「・・・けっ、親の七光りかよ」

二日酔いの時は常にマイナス思考である。
しかし俺は次の瞬間、飲んでいた水を吹き出した。

〈皆東三久さんが歌手デビューすることになりました!!〉

「三久じゃねーか!!!!」

そこには、誇らしげに会見に臨む三久の姿があった。
いつもの服装とは違う、オシャレな服装。

・・・そういえば、ほとんど制服か部屋着だったな。

〈デビューは一ヶ月後、カバー曲でデビューするみたいです・・・えっと曲名はいちきゅー・・・何て読むんでしょうね・・・〉

「1925だっ!!」

TVに突っ込みを入れる俺。

・・・くそぉ、あいつ大御所の娘だったのかよ。
・・・皆東か、なんか聞いたことがあると思ったぜ。

もう駄目だ、やってらんねぇ。

床に倒れ込む。



もう、あいつは別物だ。もう帰ってこないかも知んねぇ。

一抹の不安が頭を通り抜ける。
・・・でも、もし帰ってくるなら俺に何か出来ることがあるんじゃないか?

・・・俺に出来ること。

俺はギターを握り締めた。


結局三久は2日、3日経っても帰ってこなかった。

「・・・もう限界っす」
「まだまだ!!しっかりやれ!!」

あの日から昼は工事現場でバイトし、夜はギターで1925の伴奏パートを練習する日々。
バイトの日給で携帯電話も契約した。

・・・これがきっと俺に出来ること。

俺は計画していることがあるんだ。



次の日の仕事が終わり、携帯電話でメイコちゃんを呼び出す。

喫茶店の二人掛けの席にメイコちゃんが壁側、俺は通路側に座った。
OLスーツのメイコちゃんが目の前にいた。

「ごめん、俺、メイコちゃんの気持ちには応えられない」
「えっ」

早速、話を切り出す。
メイコちゃんは戸惑いを隠せない顔をしている。

「俺・・・ほかに好きな人がいるんだ」

俺の決心だった。

メイコちゃんは、ほっとしたような顔で言った。

「別に・・・いいんです。私みたいな女と付き合うと損なことしかありませんし・・・それに」

メイコちゃんが続けた。

「本当の気持ち、言ってくれてよかった!!やっぱり三橋さんを好きになって良かった!!」

そう言って、メイコちゃんが走って店を出て行った。
オーダーを聞きに来た店員も唖然だった。



メイコちゃんを陥れたのは俺だ・・・良心が痛む・・・。

でも、いいんだ・・・。これでいいんだ。



日々はやたら忙しに過ぎていき、三久がデビューする2日前になっていた。
三久は名前の読みが“ミク”で、しかも1925でデビューすることから、ネット上で話題になっていた。

俺は三久の事をネット上でチェックし続けた。

三久は今、レコーディングの為東京にいるらしい。



〈東京~。東京です〉

「よし、来たぜ・・・東京に」

俺は新幹線からギターを持って降り、1人気合を入れる。

東京にいれるのは、2日。
明日には帰ることになっている。
それまでに三久を見つけなくては・・・。

誰も知らない街で人を探すことがどんなに難しいことだろうか。



とりあえず、鳩バスに乗り都内を廻る。

「くそっ、なんて広いんだ東京は!!」

地図を広げ、観光地を廻ってみる。
・・・どこにもいない。

この間まであんなに近かったのに、今はこんなに遠くなってしまったなんて・・・。



夜8時、俺は疲れ果てて秋葉原を歩いていた。

ギターの重さで、疲れも限界だった。

どこからか1925のメロディーが聞こえてくる・・・。
俺は無意識にそこに吸い込まれていく。

そこにあったのは1台のテレビだった・・・。
同人CDショップのプロモーションPV映像である。

1925のPVを見たとき、初めて見たのにもかかわらず涙がぶわっと出た。

三久との思い出が蘇る。

「三久・・・くっ・・・みくぅ・・・」

その瞬間だった。
足に強烈な痛みが走る。

「ちょっと、アキバのど真ん中で人の名前呼びながら泣かないでくれる?マジでキモいんですケド」

そこにいたのは三久本人だった。



俺は三久に抱きついた。あの時の逆だった。

リアルでは魚釣りに没頭している人。

考えるな感じろ精神で文章書いてます。


今まで書いた小説などなど・・・

単発ボカロ曲二次創作
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1925から始まるストーリー(シリーズ物、完結)
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