ブブッ、ブブッ、ブブッ……。(バイブの音)
メ
?マスターのスマホが鳴ってる。
わざわざ起こすのもあれだし、ちょっと借りるわよ。
メ「えーっと」
メ
あら、ルカからじゃない。
ル『そっちは大丈夫そう?』
『ちゃんと電車乗れた?』
『わかんないことあったらすぐ聞いて』
メ
返事しても大丈夫かしら?でも、唐突すぎて自分のは忘れて来てしまったし、グループの方だものいいわよね?
そらに、相手がルカなら返事しても問題ないわよね。心配かけるのも悪いし。
メ『無事乗れたわ』
『今、カイトとマスターは寝ているから代わりに私が打ってる』
メ
すぐに既読がついたわ。ルカは寝てないのかしら。
ル『は!?なんで、寝てるの』
『主役を放置ってあの二人は!』
メ『まあまあ、そんなに怒らないであげて』
『それに、私が寝てって言ったの』
ル『そうやってすぐ甘やかすんだから』
『まぁいいわ、帰ってきたらまずは反省会ね』
メ『うふふ、私も参加しようかしら』
ル『説教側としてぜひ参加してほしいわね』
メ『ええ、任せて!』
『それよりもルカは寝なくて大丈夫?』
ル『大丈夫よ』
『それに、そっちが気になりすぎて寝るどころじゃないわ』
メ『本当心配性なんだから。安心して私がついてるんだから』
ル『主役に気を使わせるなんて余計心配よ!』
『まぁいいわ。楽しんで来なさいよ』
メ『ありがとう。それじゃあおやすみなさい』
メ
本当にルカは心配性なんだから。気持ちはわからなくもないけれど。
でも、前まではこの3人だけだったから何も心配なんていらないのよ。きっとどうにかなるし、楽しい方向へ傾くもの。
電車の窓から眺める外の景色もたまにはいいわね。電車に乗ることは少ないし、乗ったとしてもゆっくり眺めてる時間なんてないくらいあっという間に着いてしまうし、最近はミクたちに気を取られてこんな風に景色をゆっくりと一人で眺めてる時間なんてなかった。
どんどんコンクリートばかりから自然が増えてきてるけど◯×駅まではまだかかるわね。
◯×駅って確か、海が近い観光地として有名な場所だとか言ってたかしら。流石にこの時期の海には入れないけど、夏にみんなで海水浴に行くのも楽しいかもしれないわね。
ふわぁ〜……(あくび)
なかなかないゆったりとした時間に、電車の心地よい揺れで眠くなってきたわね。でも、ここで寝ちゃうわけにはいかない。それこそ3人で寝過ごして知らない駅に着いたなんて言ったらルカに怒られるどころか呆れられちゃうかしら。それはそれで面白そうな気もするけれど、一生懸命色々と考えてきてくれたみたいだしちゃんと起きていないとね。
『次は◯◻︎駅、◯◻︎駅……』
メ
あら、もうそんなところまで来てたのね。
そろそろ二人を起こさないと。
カ「最後の一本のアイスは僕の……」
メ「カイト、起きて。あと数駅で着くわよ。」
カ「……ん?あれ、メイちゃん?アイスは?」
メ「何寝ぼけたこと言ってんのよ。そんなものないわよ。」
カ「夢だったのか。最後の一本食べるまで待っててくれればよかったのに。」
メ「はいはい。マスターもそろそろ起きて。」
マ「ん……。起きて……。」
メ「もう。まだ寝てるじゃない。ほらちゃんと起きて、ここは家じゃないわよ。」
マ「ふわぁ〜(あくび)、おはよ。」
カ「マスターおはよう。もうすぐ駅に着くね。」
メ「あ、カイト。窓の方見てみて!」
カ「ん?わぁあ、海だ。綺麗だね。」
メ「やっぱり海は綺麗ね。」
『次は◯×駅、◯×駅……』
カ「降りる駅は次みたいだね。」
メ「ええ、やっと到着したのね。楽しみだわ。カイト、荷物忘れないようにね。」
カ「もちろんだよ。」
カ「ほら、メイちゃん、マスター、降りるよ。二人とも忘れ物はないかい?」
メ「大丈夫よ。」
マ「ん……あれ、スマホがない。」
メ「あ、コレ。寝てたから起きてから渡そうと思って。さっきルカから連絡きてたから返しておいたわ。」
マ「ありがとう。ルカ怒ってた?」
メ「どうかしら♪あとで自分の目で確認すると良いわ。」
マ「帰ってから確認しようかな……。」
メ「うふふ。」
カ「ほらほら、二人とも行くよ。」
メ「ちゃんと切符持ってる?」
カ「もちろんだよ!ほら!(ドヤ顔で見せびらかす)」
メ「偉いわね。でも、そんなドヤ顔することじゃないわよ?」
駅のホームから改札へ向かい、改札を出る。
メ「んーっ(背伸び)。ずっと座りっぱなしもなかなかに大変ね。それで、どこへ向かうのかしら?」
マ「えっと、こっち。ついてきて。」
カ「あれ?こっちじゃないのかい?」
マ「え?いや、こっちであってるはずだよ。ちょっと調べるから待って。」(スマホで調べる)
メ「ゆっくりで良いわよ。」
カ「どう?」(スマホを覗き込む)
マ「ほら、こっちだよ。」
カ「本当だ。メイちゃん、マスターの言った方が正解だったよ。」
メ「私は二人について行けばいいのよね?」
カ「もちろん!次は間違えないから安心してよ。」
メ「二人とも、頼むわよ。」
マ「十分くらい歩くけど、大丈夫?」
メ「ええ、問題ないわ。行きましょう。」
十分ほど歩き、とあるホテルの前に到着。
メ「目的地はここ?」
マ「そうだよ。」
カ「無事辿り着けてよかった。」
メ「ここって確か、今テレビで話題のスイーツビュッフェのあるホテルよね?」
マ「よく知ってるね。」
メ「こないだ丁度テレビでやってたのよ。」
カ「なんとなんと、そのホテルに本日宿泊します!」
メ「え!?聞いてないわよ!?日帰りじゃないの!?」
カ「一泊二日の旅になる予定だよ。」
メ「まぁ、明日も仕事は休みだから問題ないものね。それと、私たちだけこんな良いホテルに泊まっていいのかしら?それに予約取るの大変だったんじゃないの?」
カ「予約はルカとミクが取ってくれたよ。それに、明日は大事な大事なメイちゃんの誕生日なんだから。誕生日の前日ではあるけど、今日はみんなからの20周年祝いだよ。」
メ「20周年……。みんな、覚えていたのね。すごく嬉しいわ。」
マ「しかも、スイーツビュッフェ付きプランにしてあるから楽しみにしててね。」
メ「本当!?一度行ってみたかったのよね。」
カ「さぁ、ホテルのチェックイン済ましちゃおうか。僕もそろそろ帰らないと遅くなっちゃうし。」
メ「え?帰るって、カイトは泊まっていかないの?」
カ「うん、そうだよ。色々と準備をしなくちゃいけないからね。」
メ「そう、それは残念ね。わざわざ送ってくれてありがとう。」
カ「メイちゃんのためだからね。それじゃ二人はその辺の椅子に座って待ってて。チェックインしてくるよ。」
マ「あ、一緒に行くよ。」
メ「私も行ったほうがいいかしら?」
マ「ううん。行ってくるから待ってて。」
メ「わかったわ。」
メ
(キョロキョロと周りを見渡す。)
すごい綺麗なホテルね。それに、やっぱ女性客が多いのね。みんなスイーツビュッフェ目当てなのかしら?まさかここのホテルに泊まれるなんて。帰ったら、ミクとルカにお礼を言わなくちゃね。
カ「え!?」
メ「!?」
突如カイトの叫び声が聞こえて、カイトの方を見てみると、マスターが周りにすみませんと頭をペコペコ下げてる姿が見える。
メ
何かあったのかしら?まさか、予約が取れてないとか?でもミクとルカがそんな失敗するかしら?とりあえず、行ってみましょう。
(少し駆け足でカイトたちの方へ行く)
メ「大丈夫なの?」
マ「大丈夫、もう直ぐ終わるから待ってて。」
メ「わかったわ。」
数分後……。
カ「お待たせ。」
メ「!」
マ「さっきは驚かせてごめんね。」
メ「それで、何があったの?」
カ「それが……僕も泊まることになっちゃった(えへへ)」
メ「どういうこと?さっきは帰るって。」
マ「そのはずだったんだけど。」
カ「僕も今のいままで知らなかったんだけど、どうやら3人で予約してあるみたいなんだ。ルカからは、マスターとメイちゃんの二人って言われてたし、僕もスイーツビュッフェ食べられるのわかったら嬉しくなっちゃってつい叫んじゃった。」
メ「じゃあ、今日はこのまま3人でいられるのね?嬉しいわ。カイト、一緒にスイーツビュッフェの元をとりましょう!」
カ「ああ!もちろんだよ、メイちゃん!」
マ「とりあえず、部屋に荷物を置いてきてくれる?ちょっとルカに電話してくる。」
メ「わかったわ。それじゃあカイト行きましょう。」
カ「うん。部屋はそこのエレベーターから上がった4階だって。」
メ「部屋は一体どんな感じなのかしら。」
カ「さすがにスイートルームは難しかったから、期待に応えられるかはわからないけど、いい部屋だって言ってたよ。」
部屋の前に到着
カ「えーっと。ここだ!鍵開けるから待ってね。……はい、どうぞ。お入りください。」
メ「ありがとう。」
部屋へと入っていく。
メ「わぁ、さすがホテルね。家とは違う空間もワクワクしちゃうわ。」
カ「気に入ってもらえたかな?」
メ「ええ、さすがよ。というか、こんないい部屋に泊まってもいいのかしら?ミクたちに帰ってから、怒られたりしないかしら。」
カ「あはは、大丈夫だよ。みんなメイちゃんが喜んでくれたら嬉しいよ。」
メ「ベッドもふかふか。」
カ「本当だ。」
メ「ってこんなことしてる場合じゃないわね。荷物置いてマスターと合流しましょう。迷子になってないか心配になってきたわ。」
カ「そうだね。マスターになんかあっても困るし、行こうか。」
カ「マスターはどこだろう?」
メ「いないわね。」
カ「もしかして本当に迷子になってたり!?」
メ「そんなわけないわよ。もしかしたら、トイレに行ってるんじゃないかしら?」
カ「なるほど。見てこようか?」
メ「わざわざそこまではしなくていいわよ。そこの椅子で座って待ってましょう。出入り口見てればきっと見つけられるわ。」
カ「そうだね。っと、噂をしていればでてきたみたいだね。」
マ「あれ、もう戻ってきたの?」
メ「マスターが迷子にならないか心配で、荷物置いてすぐ戻ってきたの。」
マ「ごめんごめん。」
カ「それでルカとは連絡取れたのかい?」
マ「うん。どうやら、ルカ達も知らなかったみたい。多分寝ぼけて取ったから押し間違えたんじゃないかって。」
メ「寝ぼけてって、他に押し間違えてないか心配なるわね。」
マ「まぁ、カイトも泊まれたならよかったねって言って忙しいからって切られた。」
カ「あはは。まぁ、ここのスイーツビュッフェ僕も食べてみたいなって思ってたからラッキーだよ。」
メ「まぁ、予約できてなかったとか悪い方に間違えなかっただけよしとしましょう。」
マ「そうだね。えーっと、まだ時間にはちょっとはやいし、そこの売店でも見て時間潰そっか。」
メ「そうね、行きましょう。買うのは後にして、みんなのお土産も探しましょう。」
カ「なにかいいのあるかな?」
マ「これとかどう?」
メ「それマスターが欲しいだけでしょう?でも、確かに美味しそうね。」
カ「これとかもどうだろうか?」
メ「それカイトが欲しいだけでしょう?」
カ「えへへ、バレちゃったか。」
メ「でも、みんなも好きそうだしいいかもしれないわね。」
カ「どこでも買えそうなものでも、やっぱりお土産ってだけで楽しくなっちゃうね。」
マ「そうだね。でも、またこれって言われちゃうよ。」
カ「うっ……。レンはこういうので喜んでくれるんだけどな。」
メ「……。」
カ「メイちゃん何見てるの?」
メ「え!?いや、なんでもないの!気にしないで。」
カ「メイちゃん今このキーホルダー見てたんじゃないの?」
メ「べ、別に見てないわよ。」
マ「何の話?」
メ「別になんでもないわ!みんなのお土産探しましょう!やっぱ、我が家の場合は食べ物よね〜。」
カ「マスター少しいいかい?」
マ「もちろん。」
メ
二人とも何をコソコソ話してるのかしら。はぁ(ため息) 。さっきのキーホルダーの猫確かに可愛かったけど、私なんかがあんなかわいいもの持っててもおかしいわよね。
そんなことより、そろそろ時間じゃないのかしら?
メ「二人とも、内緒話のところ悪いけれど時間は大丈夫なのかしら?」
マ「え?あー、そうだね。そろそろ行ったほうがいいかも。カイトさっきの話は頼んだよ。」
カ「もちろん!任せておいて。」
マ「会場へ行こうか。」
記憶の赤のページ(20th前日)中編
こちらは前回投稿したものの続きです。
前を読んでない方はこちら
前→ https://piapro.jp/t/Mrca
を読んでから、読んでください。
次→ https://piapro.jp/t/D_5U
文字数足りないし、2ページ目のやり方わからないため別に投稿してます。
我が家のボカロ達のお話です。
解釈違い苦手な方はご遠慮下さい。
※マスターも居ます、喋ります
大遅刻したけど、 MEIKO20thおめでとう
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