ある日のことでした。


不思議な森の奥に住んでる祖母から、連絡が来ました。

内容は、”具合が悪いから、薬をい買ってきてくれると助かる”との事でした。
だから私は、薬と見舞いの林檎を持って、祖母の家に向かっていたのです。



風に揺れる葉の音だけが聞える静かな森の道を私は、ただただ歩き続けていました。
森に入って20分くらい経った所で、私はビクッと体を震わせました。

どこからか、視線を感じたからです。
私はその場に立ちどまり、背の高い木ばかりの周りを見渡し始めました。




―――

私達人間が、人間以外の肉食動物に襲われないようにするための独特な能力を持っています。

それは、おおかみなどに人間が襲われ、命を落とすという事件が多々あったため、身に着いた能力だと伝えられています。


その能力と言うのは、「視線を感じ取れる」というのもあるのですが、重要なのは、「声が出る」ことです。

その声は、視線を感じている時に条件を満たすと、自分の意思は関係なしに出てしまいます。

これはただの声ではなく、獣が聞くと脳に響いて倒れてしまい、その声は仲間のもとに届くのです。


その条件と言うのは、とても小さなことです。

  まず、獣が自分の目の前に現れ、会うこと。
  そして、獣が自分の体、どこかに触れ、言葉を交わすこと。


でも、これだけのことでは、襲われていない可能性もあると思います。
だから私は、自分のこの能力は嫌いでした。

―――




本当は、立ち止まったその時から、どこから私を見ているのかはわかっていました。

きっとおおかみなのだとも、思っていました。


だからこそ、私がそちらを向いてしまうのが怖くて、わざと全体を見回し、心の準備をしていたのです。

そして、そこを見た瞬間ー…。




でもまさか、本当に目が合ってしまうとは思っていなかったのです。
でも、合ってしまった。

ほんの一瞬のことではあったけれど、私にとっては、長い長い一時でした。


その瞬間、今まで感じたことのない、ピンク色の感情が胸の奥から込み上げてきました。

…何?この気持ちは…?


私は慌てて目を逸らしてしまいましたが、胸がドキドキとうるさいほどに鳴っていました。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【自己解釈】おおかみは赤ずきんに恋をした【赤ずきん1】

こんばんは^^

先日から書き始めたおおかみ赤ずきん自己解釈の、
赤ずきんバージョンです!

これから、おおかみ視点と赤ずきん視点、交互に出して行こうと思っています。。
内容的にはわざとかぶせている所もあるので、そこは気に入らなくても広い心でスルーしてくださると嬉しいです^^;

次回も出来るだけ早く出せるように頑張ります!!

偉大なるおおかみは赤ずきんに恋をした本家様↓
http://www.nicovideo.jp/watch/sm18529569

閲覧数:206

投稿日:2013/04/16 14:01:10

文字数:946文字

カテゴリ:小説

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