暴君王女を倒すべく、ついに人々は立ち上がる。
隣国の少女が殺された事によって、民達は決意した。
それを知らずに王女は贅沢三昧。召使達は不安を覚え逃げる準備までもをしているのに。

烏合の彼等を率いるは、赤き鎧の女剣士。
「王女様」
「何?レン」
「民達が暴動を起こして・・・」
「いつも通り追い返せばいいじゃない」
「それが今回は・・・」
王女は外を見て恐怖に怯えた。民達全員が暴動を起こしているのだ。
ここに来るのも時間の問題だろう。
「王女を出せ!」
「兵士など敵では無い!」
女剣士が兵士を倒し、どんどん城へ近づいてくる。

「レン、このままでは貴方まで殺されてしまう」
「え・・・」
「もう逃げられないから、そこのタンスに隠れていて」
「でも・・・・・!」
「さあ、早く」

「王女!捕まえたぞ!」
民達は玉座へと駆け上がり、青い仮面の男が王女を抑える。
驚いたような女剣士が王女に歩み寄る。
「この、無礼者!」



昔々ある所に悪逆非道の王国の頂点に君臨してた14歳の王女様。
彼女の処刑の時間は午後三時。教会の鐘が鳴る時間。
王女と呼ぶには若すぎた彼女は一人牢屋で何を思うか。
ついにその時はやってきて、終わりを告げる鐘が鳴る。
民衆などには目もくれず彼女はこう言った。



「あら、おやつの時間だわ」



気高きバラと同じ茎に咲いていた小さなバラ。
その散り際は見事であった。
気高きバラはいつしかしおれ、悲しげに散って行く。

後の人々はこう語る、嗚呼彼女は正に



悪の娘。

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悪ノ娘③

気が向いたら悪ノ召使も書きたいです。

閲覧数:204

投稿日:2010/05/03 11:16:46

文字数:650文字

カテゴリ:小説

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