隠居の投稿作品一覧
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零れる足音
溶ける受話器に口吐けて
揺れる君の背
地球の上で跳ねる指
目に映るものだけ
追いかけてちゃ駄目なの
まだわからない
だからそっと教えて
「この世界は美しい」
僕の夢はまだ遥か彼方...yonder
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指、首、足に絡む赤い紐
器用に抓まんで形造る
小指を立てて紐を咥えてみませう
貴方は其処を引いて
口から流れる穢い愚痴
あらら、此方で掬いませうか
やや、穴が十もある
それならば君が飲み給へ
次第に黒に染まる赤い紐
総ての指に繋がる紐に...アヤトリ
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目を見ればわかるピアピア
手を繋げばわかるピアピア
一番後ろの席から見る君の横顔
見とれてたらいきなり先生に指されて
次どこから読むのかわかんないよっ
君も笑っていてあれ?笑顔見れてラッキー?
でも恥ずかしいんだもん!
あなたを思うとピアピア
体温上昇しちゃうのどうしよう
今かわいく笑えてるのかなあ...ピアピア
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砂漠に落ちた一粒の雨広がり青い海になったの
あなたが食べたキャンディーの包みが積もって山になった
人が繰り返してきた歴史それがやがて人になるんだ
僕の積み木は生まれた時に並べ始めて今はどんなだ
曲がってないか歪んでないか
自分に問いかけてひとつ積む
高く積まれた僕の積み木は君から見たら今はどんなだ
...積ミ木遊ビ
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手首にネクタイを巻きつけて強く引いた
オシャレな髪型のカツラで街に出る
ろくでもない人間の指切る天使たち
その羽は悪魔によく似たディティールさ
シャレたモチーフだね
どうでもいいけどメイクを直しなよ
さかさまに
捻じ曲がった背骨などは視界に入らない
マイク握り締めて右足で踏ん張った
部屋の隅のキノコ...手から始まれば
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一億年の時を越えて僕らは今
この日この場所で出会うことが出来るんだ
置き去りにされてる君の足元掬い上げる時の譜面
バランス崩して下の方引き擦り込まれるのをただ見ていた
白い白い符号と目が合った気がして
誰にも気付かれない様に手を振ってみたけどさ
一億年の時が流れた現在でも
あの日あの時のことは覚えて...トラベラー:世にも奇妙ななんちゃら
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片耳で跳ねる音を奏でても
心を掻きむしる声が止まない
両手で塞いでも頭の中叫ぶ
あなたのその声で目を覚ますのよ
シルエット切り取って見て風に流した
その顔は僕の心きつく締め付ける
暗闇のロックンロール
足元に転がるカーテンを蹴り上げて
狂声をこの身に浴びる
痛みと悲しみを紡いでいく...暗闇ロックンロール
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金色に太陽が照りつける
純白入道雲が流れた
虹色のビー玉を転がして
すべりこむ甘さはじけて消えた
鮮緑がやわらかく包み込む
快晴まるで家族の優しさ
パタパタと靴底を踏みならして
「自分が生きてる」感じているんだ
キラキラと光るこの世界
いつの日か消えてしまうなんて...紅に染まる空
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神経が衰弱
真剣に衰弱
ああもう何だかわからない
広がるカード床一面
見下ろしたらめまいがした
さあさ皆様!はじめましょう
楽楽しいカードゲームを
めくってめくってめくってめくって
同じペア探す
全部終わるのかな?...神経衰弱
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しろい羽持つてんしがいました
ろうを塗ったようなつややかな羽は
いちばんの彼女の自慢でありました
ろじうらのちいさな家を見守る
のんびりした仕事に彼女は退屈しておりました
はは様 ぼくはこんな生活はイヤです
ねえさんのようにもっと輝きたいのです
はは様 僕は地上におりてみたい!
そう思ったら彼女はと...天使論
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増えるエナメルが逃げる
諦めてランドセルも逃げる 不安
ロッカーで井戸端会議 死体発見
ロッカーで井戸端会議 死体発見できず
イライラするような
コソコソするような
目元のチタン侵されて
逃げる 煮込む ふわん
バカとなんとかは紙一重って利己主義パンダ
世界の中心は俺だとかってリスザルパンダ...オーダーメイド
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いち フォルマント あらわれる
に フォルマント あらわれる
さん フォルマント ずっといる母
白い雑音 無数に伸びる線
赤い雑音 ゆっくり傾く音
連続して純粋な音壊した
手拍子はかるビット
細かすぎてて伝わりすぎてる
最高16ビットならわたし解読できるよ
時間かかるかもだけど...音と響く
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夢の塔1階目
こつこつと建設し続け
夢の塔10階目
もう1人じゃ建てられないかな
ふわふわした土の中から
鉄の柱数本飛び出してきて
「ぼくにおのりよ」柱が言う
わたしの前に同じ鉄の階段
らせん状にのびる
1段足を踏み出してみる...スケルフォルディング
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静かな朝 波は穏やか
作りかけのお城見つけた
一番上に乗った貝殻
これが君とわたし
もしも君が隣にいて
砂でできた小さなお城見つけたら
きっと笑ってくれるよね
ねえ 答えて
砂の城 波にさらわれて
砂の城 ゆっくり崩れて...我想フ故ニ君在リ
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指をはじいて震える酸素
首を回してカラカラ笑え
黒板 鉛筆 臓器移植
ムーンウォークで窓にお迎え
ビデオデッキから溢れる 欲情 感情
コーヒーと紅茶の王様 俺様
もつれた電話回線
伸びるもみあげあげあげあげあげあげあげ
カオスワールド
混沌の世界で生き延びろ...カオスワールド
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まっすぐ立ちなさい
また背中が曲がってますよ
かかとをそろえて立つんです
足はきちんと閉じなさい
まっすぐ立ちなさい
あなたには背骨が無いの?
背は伸ばすけどあごは引くの!
なんでこんなこともできないの!
まっすぐ立ちなさい
軸は少しもぶらさずに...ストレイト
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Blue Rain 最悪だわ
突然降ってくるなんて反則!
お気に入りのスカート濡れちゃうじゃない
カバンの中濡れないようにかかえて
なんとか駅まで辿り着かなきゃ
Blue Rain 最悪だわ
急にどしゃ降りになるなんて!
途中でコンビニの透明なビニール傘
クーラーの風に震えながら買う
ああもうダサく...Bye Bye Blue Rain
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上から降って来て下から湧いて来る
これからわたしどこへ行くの?何をするの?
何をしてもうまくいかないよ
溶けるような頭痛 崩れるような腹痛
たすけて!叫んでも誰もいないよ
あああああ あの頃に戻れたら
あああああ あの頃に戻りたい
あたたかな膜に包まれてるわたし 顔はよくわからないけど幸せそう
体を...GENE