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―――どうして・・・こんなこと・・・―――
少女の目に写るもの、それは破壊され、燃え盛る街。
少女の耳に入るもの、それは街から聞こえる人々の叫び声。
全てが突然の出来事だった。
そう、この街は数時間、盗賊の群れに襲撃された。
荒ぶる盗賊と馬の声がこだまする。
「いい?此処から真っ直ぐあの丘...Corpse
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「私は誰?」
少女は言った。
「貴女ハ私」
少女は言った。
「貴女は誰?」
少女は言った。
「私ハ貴女」
少女は言った。
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「此処は何処?」...Corpse―プロローグ―
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・・・温かい。
2人きりの空間。暗闇で感じる肌の温もり。
ああ・・・私は今、キヨの温もりに包まれてる。こんな幸せは味わったことは無い。
「キヨ・・・」
「ん?」
「・・・好きだよ」
吐息混じりにそう言って唇を重ねる。
「ありがとう」
「それは私のセリフ」
終わらないで。この幸せな...境界線-最終章-
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あれからしばらくして、ルカとキヨは学校に来なくなった。
レンの電話が原因なのか、それとも別の理由なのか、いくら考えても出てくるのは不安だけ。
直接本人に聞けば解決するのだろうが、それが出来たら苦労は無い。
聞いたら、全てが終わってしまう気がしたし。
こうして悩みつづけ、月日が過ぎる。
...境界線-第九章-
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―――私はルカが嫌いになった
そんなの嫌だ。ルカは親友だもん。絶対嫌だ。嫌だ・・・嫌・・・
・・・ルカ・・・キヨ・・・ハ・・・アハハ・・・アハハハ!アハハハ!
通り行く人が冷たい目線を送る中、私はその場にうずくまり、狂ったように笑い、泣いた。
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ひ...境界線-第八章-
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突然の出来事に目を見開き呆然と立ち尽くしていた。
自分が何をされているのかわからなかった。
でも確かな事は暖かく湿った唇の感覚は幸せだった。
そっと唇が離れ、体中が火照っていた。
「ごめん‥何やってんだろ俺‥」
「‥そんな事言わないで」
何で謝るの?私は嬉しかったんだよ。そんな言...境界線-第七章-
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あのミクが恋をした。って言うと失礼かもしれないけど‥
友達の恋愛を見ていると幸せな気持ちになる。しかも初恋の場合は特にそうだ。
「私に出来る事なら言って!協力するよ」
自然と拳に力が入る。
「どうして協力してくれるの?」
まあ、恋愛に関しては皆無だったからしょうがない。
「ミクは私の大切な友達だ...境界線-第六章- ルカ side
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何今の反応?
私とは目合わせて話すのに、何でルカと話す時は目をそらしてるの?
何で顔赤いの?
何で‥?何で‥?
「ミクからいろいろ聞いてる。確かにそうかもね」
「それで俺の名前知ってたのか‥いろいろって何聞いた?」
「えっとね‥」
私が話した事をルカが話す。
何でだろう。すごく嫌だ。
ルカも新しく...境界線-第五章-
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彼は氷山キヨテル。
黒髪で目まで伸びた前髪の間から見えるどっかのエリートがかけてるような眼鏡にキリッとした目つき。
どちらかというとイケメンの部類に入るが、生真面目ともとれる。
「氷山の席は‥初音の後ろだ」
無言でスタスタとこっちに向かってくる。
周りの女子がざわめく中、リンは興味なさげに、私は俯...境界線-第四章-
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その日の放課後。
って言っても説明やら配布物があったぐらいだったからすぐ終わった。
「よろしくね」
「うん!」
私は2人にルカを紹介した。
「・・・」
ただ一人、レンだけ何も言わずルカを見てボーっとしていた。
「レン君?」
「ふぇ!? あっ・・・よろしく」
気のせいか顔を赤らめ、鼻の下が伸びてるよ...境界線-第三章-
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そんな私達は今日から高2。晴れて上級生になった。ギリギリだったけどね‥
中学の時から私達は不思議とずっと同じクラスだった。
新しい環境でもルカがいてくれたから安心できた。
昔は1人でも平気だったんだけどね。今はルカがいないと‥
「クラス替えか‥」
ルカが興味なさそうに言う。
「また同じクラスだったら...境界線-第二章-
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いつもと同じ眺め、いつもと変わらぬ空気を吸って、いつも通りの道を歩く。
「今日から新学期だね」
「うん‥でも正直ダルい」
唯一変わった事と言えば無事進学して上級生になったこと。
「ミク‥ギリギリだったんだから今年は真面目にやんなさいよ」
「‥ルカはいっつも母さんみたいな事しか言わないよね‥勘弁してよ...境界線-序章-