平田義久

西武新宿降りたった途端 大粒の雨
煙草を捨てファミマに走る びしょ濡れのローファー
足元みてる矢鱈高えビニ傘
手ェ塞がンのもたいぎいし
なんかアタマはっきりしねえンだ
そうだジーン・ケリーでも気取って
きょうは一丁傘なしでいこうか
ドブの臭いの歌舞伎
あのキャッチも雨宿り
花道を往く TOHO前では...

絵本のなかみたいな街を彩る illumination
いま別れの刻を告げるあの観覧車
iPhoneの画角じゃ切り取れない空気や温度が
今夜を特別にしている そう思わないかい
まわれ merry go round
魔法ならどうか解けないで
ぼくは不器用な台詞で君に
愛を誓った
君の長い髪をなでた海から...

今夜すべての嘘が
甘い息に変わって
※ふたりで fallin' fallin'
ほら眠れない all night long
今夜 指先は rollin' on
僕は so only for you※
すべてを脱ぎ捨てて
かけた空調 際立つ残響
凍えた心を解かす素肌
蜜の垂れるような君の愛撫や...

きらきら星々で夜の空縫うオリオン座
澄んだ君の瞳に反射して輝いた
ひらひら舞う雪は触れれば溶ける砂糖さ
永久の愛を誓うよ さあその手をどうぞ Baby
※close your eyes
one more time
雪が積もるように
close your eyes　
one more time
重なっ...

何故だ 絡まった 事態 教室で
蜜が 滴った 甘い 口づけ
サヨナラ、風紀正しき乙女よ
嗚呼こんなに濡れてとても気持ちいいの
規則ばかりの制服の下は
鮮やかに匂う情熱の花
嫌い好き嫌い好きでも嫌い
咲き乱れる情熱の花だった
サヨナラ、慎み深き時代よ
サヨナラ、風紀正しき乙女よ...

水玉の傘をたたんだ虹の下で
いまごろはあなたが何しているか空想します
ふたりどこか涼しい国へ逃げて
そこで暮らしませんか
浅葱色のハンカチからシャボンのにおい
草いきれ見あげればもんもこ入道
あのむこうパライソがあるとしたなら
それはもうとても素敵なことだと思いませんか
ふたり汽車で誰にも告げず
遠...

Baby 今夜、摩天も
君だけの背景
Baby ヒールをぬいで
裸足で近づいて
Late Night 踊るならシックなステップで
Late Night 初めてかい？ どうか恐れないで
Late Night 長い接吻のあとには
甘い甘い苦痛の迷路の奥で絡み合う
Baby ぜんぶ愛さ
どれも嘘ではない...

舗道の落としものが足ばやになる正午
春さきの青空に鈍色の雲が
気象予報に叛いて晴れ模様がみるみる崩れてゆく
軒さきにかけこんで目があったあなたは美しいひとだった
俄かな雨がふたりつつんだ 季節のいたずら
しばしふたりは露にまみれて色ます花をみる
ほらふたりとも傘もなしに歩きだした Rainy day...