aotuki18の投稿作品一覧
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紅く紅く
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みっく
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キューティクルパワー
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傘もささずに
冷えた酸素を
肌に纏わせ
水の檻 掻分ける
愛が 愛が 欲しいのでしょう
全て 全て 捨てたくせして
白い 白い 息を吐き出し
灰を 灰を 降り積もらせた
洗い流してよ
両の手にこびりついた...記憶の箱庭
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いつもみたいに 優しい声で
名前を呼んで 私の名前
重なる影を 折り畳んでは
過去に揺蕩う 貴方に触れる
たとえば今隣に貴方が
いたとしたら笑えただろうか
たとえば今好きだと貴方に
云えたならば幸せだろうか
いつもみたいに 優しく撫でて
黒く伸ばした 私の髪を...名前
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何も知らない人たちは
僕の隣を通り過ぎ
町の騒音巻き込んで
最後の世界創り出す
屈折率が上がってきた
僕が僕になる瞬間
白濁の空 ねじ曲がった雲
全て映し出した
誰かの吐息 安らぎの笑顔
それは吐き出して...Mirror's world
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君は其処 私此処
貴方何処? 夢の中
何を云う? 何を見る?
何を聞く? 何を知る?
禁欲的(ストイック)な恋も
魅力的だけれど
君は其れ 私此れ
貴方何れ? 夢の中
愛を云う? 愛を見る?
愛を聞く? 愛を知る?...終末論
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何故桜はそんなに美しく咲くの
其れは根の下で彼方を喰らって居るから
浅くも無く深くも無く
未だ何も知らない私達で良いでしょう
彼方(あなた)の其の胸の奥
覗き込んでしまう愚かな私を許して
何故桜はそんなに美しく咲くの
私の頬の桃色映したかの様に
嗚呼 可愛い人よ 如何か
桜の華に紛れて...亡き桜
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幸せの『青い鳥』探す双子
出会ったは『ラプンツェル』
一人淋しく過ごす高い塔
愛しの王子は私に促す
暗く静かな森の中
高くそびえる塔の中
今か今かと待ち続ける少女
僕は君に会う為に君を促す
『君の髪を垂らしておくれ』
少女は言われるがまま...【合作】Der blaue vogel
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もりのおくふかくの
かわいい かわいい
おうちであなたに
であってしまったの
あなたははくしゃく
あおいめをした
えいえんのつみびと
わたし かなしくて
なみだがぽろり
ながれてきちゃう...薔薇の病
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あまい林檎
おひとついかが?
舌鼓(したづつみ)しちゃうわ
もう我慢できないの
激しく求めてみてよ
あまいあまい蜜で
私も蕩(とろ)けちゃう
現在(いま)が最期でもいいから
もっと違うものを
私を欲しがって...禁断果実イヴ
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放たれし刃(やいば) 深々と貫くのは
怠惰の仮面を被った道化師
裁きを下せよ 見つめる先の未来は
けして永遠に続くものではなく
幼き子供たちに
悪夢を植えつけるため
燦爛(さんらん)の闇のなか
今日も一人で彷徨う
眩(まばゆ)き世紀の幻
微睡(まどろ)みの果てに...PITIFUL ZANY
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この閻浮堤(えんぶだい)で生まれた私“幻”
愛でよ愛せよ 腐乱の姫よ
問えよ答えよ 靡爛の死屍よ
墜ちてしまえ 泡沫の闇に
諦めることだけだったら
とても簡単なことなのに
私を目覚めさせたのは誰
幸せも気付かなければ
意味の無いことが判れば
同じ過ちを繰り返さなかっただろう...創世紀
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泣き叫ぶ子供の声が響く
果敢なくも醜い世界に誰がしたのだろうか
我ら創りたまいし神の
尊き教えは
我が子孫に伝えられることもなく
滅び廃(すた)れていく
殺すことが美徳だと教えられた少年達
愛しき人をただただ待ち続けた少女達
ねぇ 人間は忘れられる為に生まれてきたの?
綺羅(きら)めく閃光のなか...罪
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わたしが死んだら
戸棚の奥 黄色い匣(はこ)
そっと開けてみてください
優しい魂が眠っているから
枯葉のような想い出が
消えていく遥か彼方
そっと灯りを点すように
張り巡らした記憶の欠片
あなたが見つけてくれたなら
わたしが死んだら...遺言
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天上は遙か彼方で耀き
堕ちてくる光に私は染まる
跪き
捧げよ
誓いの剣
斃れ伏し
掲げよ
禁色果実...楽園追放
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捻じれた骨が突き刺さる
壁に鏤められた眼球
ひとつひとつの視線は
冥い空だけを見つめて
背骨が折れ曲がって
僕はもう立てないよ
降り注ぐのは黒い唾液
食人種はそれを甞めるよ
食人種は僕を食べるよ
僕は食人種を食べるよ...LOST HEVEN
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静かな土の中は
何よりも深い
君の想いさえも
届きはしない
紅のくちびるが
語る言葉こそ
この命の真
いま私を包むのが優しい夢なら
この世でやり残したことなど何もないのに
なぜ今以上のものを求めようとするのか...終焉の柩
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この耳に響くのは
永遠と云う
旋律ばかりで
確かなものなど
何ひとつない
この身に滴るのは
哀しみと云う
清らかな夢で
在るべき姿は
まだわからない...覚醒doll
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まだ王が王子で
世界の掟など知らずにいた頃
ひとつの秘めごとを冒していた頃
それは残酷な過ち
頬を赤らめる君に 胸は高鳴り
我の全てを捧げて 手に入れたあと
地下牢に繋がれている お前を抱(いだ)く
私だけを見てと云う
声に見向きもせず
私を乱してと云う...名もなき君主のための葬送曲
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この世の不浄に誠など在らず
なれど求めるのは確たる真理
イザ行カン 目指スハ精悍(せいかん)タル鉄壁
翔ビ立テヨ 討チ取レヨ
還ルベキ場処ハ直グ其処ニ
いつまでも谺(こだま)しつづける
遥か彼方の母の声よ
貴女に産み落とされた刻(とき)
私の運命は色をつける
さあ その先...少女騎士
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さあさどうぞ いらっしゃいな
その覚悟 引き換えに
冥府の鍵 授けましょう
後悔は しませんね?
賽の河原の奥に沈むは
恨み 愛憎 懺悔 熱情
舵はこの手に委ねられてる
濁る最期の河に行きます
さあさどうぞ ご覧なさい
醜くも 美しい...番人の嘲笑
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泡の喘ぎは 目に浸みる
それはまるで 鏡のように
揺らめく水面を 映して
逃げ出す私を 捕らえ続ける
貝殻の中は 苦しい
麗しき鱗 煌めかせ
思うがまま 泳ぎ廻り
真実の酸素を 吸ってみたい
恋い焦がれるのは 曇天
けれど其処に 届くようには...リアルマーメイド
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錆ついた鎖に絡む白い肌
婀娜めいた体に宿るのは本能
蜜を蓄え怯えを示す
その口唇に接吻を
薔薇の莟の奥
その指先が触れる
誰も知らないはずの
この心臓の奥
美しく 美しく
乱れてしまえばいい...束縛の獄
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私、やっと判りました
この思いが何なのかを
判ることが出来たのです
あれは未だ雪が深々と降っていた十二月の頃
私は母の手を握り、貴女は義父(ちち)の服を掴んで
そのとき、私は七歳、そして貴女は二歳年上
私が泣いていれば、貴女は慰めてくれましたね
貴女...私だけのお姉様