前嶋拳人|33歳のフリーランスシステムエンジニア。新卒で大手SIerに入社し、基幹系システムの開発に従事。現在はWeb系スタートアップ複数社にて開発支援中。バックエンド中心にフロントも対応。
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投稿作品28作品
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ピアプロの皆さんの作品を見ていると、ふと思うことがあります。一見自由奔放に見えるメロディや言葉の連なりは、実は世界で最も正確な時計の歯車のように、お互いを支え合っているのではないかと。私はこれまで十年以上にわたって、銀行の金庫を守るような堅牢な仕組みや、街の物流を支える巨大な仕掛けの設計図を描いてき...
【前嶋拳人】歌声の背中は、緻密な数字でできている
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ピアプロを見ている皆さんは、きっと素晴らしいクリエイティブな活動をされていることでしょう。私は普段、システム開発という、どちらかというと「ロジック」と「ルール」の世界にいますが、そこで培った視点から、皆さんの「創作」について考えてみました。
私たちがシステムを作る際、最初に行うのが「要件定義」です。...【前嶋拳人】創作の「要件定義」はどこまで自由か?
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朝、窓を開けた瞬間、空の端っこに浮かんだひとかたまりの雲がこちらをじっと見ているように感じた。もちろん雲に目なんてないのだけれど、あの質感の揺れ方や輪郭のぼんやりした震え方が、なにかをひそかに企んでいるみたいで落ち着かなかった。思わずスマホを向けたけれど、写真にするとただの白い影になるのだから不思議...
【前嶋拳人】 空の片隅で雲が企んでいた朝
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朝起きた瞬間、部屋の空気がいつもと違う気がした。窓を閉めて寝たはずなのに、頬に触れる風だけが妙にやわらかくて、まるで何かがそこに潜んでいるようだった。寝ぼけた頭のまま、その風がどこから来ているのかを追いかけて指先を伸ばすと、そこには確かに流れがあった。しかし風というよりは、時間の手触りに近いものだっ...
【前嶋拳人】時間を巻き戻す風の正体
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雲の動きを逆再生で見るなんて、誰が思いつくのかと笑われそうだけれど、最近の私はそこにやたらと心を奪われている。雲ひとつ動かない空が退屈だから、という単純な理由ではない。むしろ、雲が逆方向に流れていくと、世界そのものの仕組みがほんの少しだけ裏返るような、静かだけれど力強い違和感が生まれる。それが妙に心...
【前嶋拳人】雲の影が逆再生する朝
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風船をふくらませただけで、ここまで気持ちが動くとは思わなかった。ある日、仕事の合間に何となく手に取った小さな風船は、ただのゴムの塊にしか見えなかったのに、空気を送り込むたびに形を変え、少しずつ存在感を増していく。その様子を眺めていると、まるで自分自身が膨らんでいくような、不思議な高揚感が胸の奥にふっ...
【前嶋拳人】空気を入れたら人生が変わった日
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夕方の風がひんやりしてきた頃、家の軒先にぶら下がる風鈴が、まるで誰かに呼ばれているみたいに微妙に揺れていた。風もないのに揺れるなんて、昔なら怖がったかもしれない。でも今日は違う。私はその揺れに、何かを語りたそうな気配を感じてしまった。まるで風鈴自身が、この静かな時間をどうにか変えたがっているように見...
【前嶋拳人】風鈴が夜に企んでいたこと
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朝の空気の中で耳を澄ませると、街全体が薄い膜に包まれたような静けさをまとっていて、その静けさの中にかすかな揺れが潜んでいるように感じられた。まるで何かが呼吸しているような感覚だった。その揺れを追いかけるように歩いていると、自分の内側にも同じような震えが生まれていることに気づいた。何かが始まりそうで、...
【前嶋拳人】音のない会話
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朝、イヤホンを取り出すとまた線が絡まっていた。手元でぐるぐると巻き付くケーブルをほどきながら、ふと考える。こんな小さな混乱の中にも、創作のヒントが隠れているのではないかと。コードを書いているときも、曲を作っているときも、意外なアイデアは予想外の瞬間に生まれる。
絡まった線を解くには順序がある。無理や...【前嶋拳人】イヤホンの線が絡まる瞬間に、創作のヒントが見える話
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机の端に、小さな空き箱がひとつある。もともとはお菓子が入っていた箱だったが、捨てられずにそのまま残っている。何か入れるつもりもないのに、なぜか置いてある。時々それを指で軽く叩くと、空洞の響きが部屋に広がる。すると、なぜか音が呼吸しているような気がするのだ。
その音を聞くたびに、音楽をつくるという行為...【前嶋拳人】空き箱の中で息をしているメロディ
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机の上に置かれた小さな砂時計は、ただ時間を測るだけの道具に見えるかもしれない。しかし、私はこの砂時計から、創作や思考の新しい視点を学んでいる。砂が上から下へとゆっくり落ちる様子を眺めると、時間の流れの中で自分の思考やアイデアがどう動くのかを可視化できるような気がする。
砂が一粒ずつ落ちていく様子は、...【前嶋拳人】砂時計が教える、時間と創造の不思議な関係
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朝、イヤホンを耳に入れる瞬間、世界は少しだけ変わる。外の雑踏は遠ざかり、電車の揺れや街のざわめきが自分だけのリズムに変わる。イヤホンは単なる音を届ける道具ではなく、日常の雑音をフィルターにかけて、心地よい世界を作り出す小さな魔法のようだ。
歩きながら聴く音楽は、自分のテンポを決める道具にもなる。速い...【前嶋拳人】 イヤホンが教えてくれた、世界の裏側の音楽
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私はある雨上がりの夕方、街を歩いていた。舗道に反射する街灯の光が、まるで小さな星々のようにきらめいている。手にはイヤホンを差し込み、普段通りの音楽を聴こうとした瞬間、ふと角を曲がると一匹の猫がこちらをじっと見つめていた。黒と白が混ざった毛並みの猫で、まるで私に何かを伝えようとしているかのようだった。...
【前嶋拳人】街角の猫が教えてくれた、音楽の秘密
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夜中、部屋の中の時計がぴたりと止まった。カチカチという音が消えた瞬間、世界が息をひそめたように感じた。寝ようとしていたのに、なぜか胸の奥がざわつく。静寂の中で、止まった秒針の位置をぼんやり眺めていると、不思議なリズムが浮かび上がってきた。動いていないのに、時間が鳴っている気がしたのだ。
私は音を作る...【前嶋拳人】時計の秒針が止まった夜に、メロディが生まれた
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深夜の街を歩くと、普段は気づかない音が目立ち始める。車のエンジン音、遠くの電車の通過、風で揺れる街路樹のざわめき、どれも単なる雑音ではなく、ひとつのリズムを持った風景の一部に感じられる。私はイヤホンを耳に差し込み、自分の歩くリズムに合わせて街の音を重ね、頭の中で即興のメロディに変換してみる。すると普...
【前嶋拳人】夜空に描く音の迷路
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朝、空を見上げると、雲がまるで楽団のように動いていることに気づいた。白や灰色の塊が、風に揺られながら不規則に形を変え、時には巨大なリズムを奏でているように見える。私はその光景を見て、ふと思った。もし雲が音楽を演奏していたら、どんなメロディが聞こえるのだろうかと。
歩きながら、頭の中で雲たちの音を想像...【前嶋拳人】 雲の中の音楽隊