naturalの投稿作品一覧

「じゃあね」も言わずに別れた午前四時
ベッドのぬくもりが寒い，目が醒める
どうする気もないくせにあせる，３分間
君と辿り着いた　蜃気楼 が
いつまでも漂う　冬の空
液晶画面に色あせる君
消えないで
そうやってしがみつく度
見覚えある棘が突き刺さる
ガラス越し見えてくるmy complex...

{1A}
青く白いセーラー服とやかましい冷房
隣り合って、急接近して、踏切がおりる
赤く膨らむ熱情と頬を伝う冷や汗
無防備な間隙に警笛が響く
{1B}
さえない日常を打ち破る
手動ドア
女神がすぐ隣にいた
そそるうなじ...

暮れる夏の日
ひぐらしの声
風に涼んで
さらさらさらと
たそがれてる私に
一抹の不安が
ざわめく
夏の終わりの運ぶさみしさ
甘酸っぱく後に引く苦み
暑く輝く夏の日差しの...

朝
むさくるしい部屋の空気に
たたき起こされ
締め切った遮光カーテンを開けてみると
今日は雨模様
歩いて片道2時間弱程の通学路
自転車平気で漕いでいると
雨脚強まってきて
雨宿り
全身ずぶぬれで，でも...

黄昏に迷う
名の知らぬ社にて
遠く霊妙なる歌声を聞く
ほ、ほ、
この歌
夜に憑かれて
その身をやつす
けがれなき無垢なる美しさよ
ほ、ほ、
我に返せ...

指先に触れるその卑小な下心に
ハリボテの愛込めて
心の隙間の空腹感肥やして具して
乾いた情動と渇いた舌絡ませて
色とりどりTraffic
その環状線もっともっとずっと交差して
ネオンとビルの乱舞
華麗なsteering
制限速度超えて
ピンクガール...

つくしが顔出す
季節真近の妙な麗らかさに
記憶の焼け跡誘われ
またいたずらに傷口をなぞる
卒業したらもう会えないからって
やっと言えた「好き」も
一瞬宙を泳いで
砕けてこぼれた
まだ雪溶けきれぬ坂道を走る
あの苦い想いも...

気がつけばレールに乗せられて
気がつけば停止は許されなかった
ぬくぬくと前進、ずるずると登り
仰角45°の先は曇り
上昇する乗り物
早くならざるおえない鼓動
迫り来る曇天は
僕を臆病にさせ
感情を抑えつける
ぬくぬくと登り...

「毎日を歌い、踊る」
そんな呑気なことやっていられるような
社会じゃないけど
道端に咲く、コスモス見つけては
感傷にふける私の心
押しつぶされて砕かれた
色ガラスの欠片を寄せ集め
奇麗なステンドグラスを
作ってみたりして
コーヒー屋のおしゃれな香りに誘われ...

くたくたの仕事帰り
何やら香ばしい香りがする
気を取られ、横を向くと
あるものが目に付く...
フランスパン！フランスパン！
歯ごたえ絶妙、味わい最高
フランスパン！フランスパン！
すぐに駆け込み焼き立て購入
フランスパン！フランスパン！
紙袋を持ちルンルン退店...

白い建物と
遠くで鳴く鳥と
絡む植物と
物質のくず
流れる資本と労働力と
権利と富と
蓄積するストレスと引き換えに
生んだ利益と
見えない知の網と薄められた快楽と
あの謎の炭酸飲料の味も...

特別することなく、ごろごろ
食べては暇潰して、また寝て
夏季休講もとうとう中間地点
夏がきたってはしゃいでた頃も
あったな
いまとなっては特別でもなくなった夏
誰を誘うでもなく、誘われるわけでもなく
淡々と進む六畳間の日々
フローリングがひんやりで
やることもなく足を延ばしてはラノベ読んだり、して...

Ａ
交差点を俯いて渡る
理想と程遠い現実に,追われては
あたりまえながら、悲観しては
ため息交じりで家に帰る
「そういえば最近ゲームしてないな」
つぶやくと反射的に思い出すあの色
Ｂ
おもむろにひっぱりだす赤白の幻想投影機
スイッチ入れると画面がトリップ...

気がつけばレールに乗せられて
気がつけば停止は許されなかった
ぬくぬくと前進、ずるずると登り
仰角45°の先は曇り
上昇する乗り物
早くならざるおえない鼓動
迫り来る曇天は
僕を臆病にさせ
感情を押さえつける
ぬくぬくと登り...