『叫ぶ少女の物語』
遠く遠く、遥かな昔。
一人の少女が居りました。
か弱く、そして儚い少女は、いつも独りで居りました。
或る朝、目が醒めたならば見渡す限りの静寂と、鏡に映る自分の影。
少女の目は泣き腫らされて。
紅く紅く染まったまぶた、そして青ざめた頬と唇。
少女は何も出来ないままにただ其処に立ち尽くしていた。
「誰か私の呪縛を解いて、どうかお願い」
遠く遠く、遥かな昔。
独りぼっちの少女が一人。
声の限り叫んでも、返ってくるのはただ、響き渡る声のみ。
叫んで叫んで叫び疲れて。
つぶれた筈の喉は未だ、叫ぶことを止めないで。
或る夜のこと、少女はもう叫ばずに、独り月を見上げてた。
其処に雲雀が現れて、高い声、少女をそそのかす。
「叫ぶことが嫌ならば、歌えばいいわ、お嬢さん」
遠く遠く、遥かな昔。
叫ぶことを諦めて、少女はただ歌っていた。
歌って歌って歌い疲れず。
少女は歌うことを止めないで。
とうにつぶれた筈の喉、何故か未だ歌っていた。
声の限り歌ったら、聞こえてくるのは数々の歌。
「誰か私に歌をください、どうかお願い」
歌って歌って歌い続けて。
少女はやっと、解き放たれた。
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miyao-
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