『叫ぶ少女の物語』

遠く遠く、遥かな昔。
一人の少女が居りました。
か弱く、そして儚い少女は、いつも独りで居りました。


或る朝、目が醒めたならば見渡す限りの静寂と、鏡に映る自分の影。
少女の目は泣き腫らされて。


紅く紅く染まったまぶた、そして青ざめた頬と唇。
少女は何も出来ないままにただ其処に立ち尽くしていた。


「誰か私の呪縛を解いて、どうかお願い」


遠く遠く、遥かな昔。
独りぼっちの少女が一人。
声の限り叫んでも、返ってくるのはただ、響き渡る声のみ。

叫んで叫んで叫び疲れて。
つぶれた筈の喉は未だ、叫ぶことを止めないで。


或る夜のこと、少女はもう叫ばずに、独り月を見上げてた。
其処に雲雀が現れて、高い声、少女をそそのかす。


「叫ぶことが嫌ならば、歌えばいいわ、お嬢さん」


遠く遠く、遥かな昔。
叫ぶことを諦めて、少女はただ歌っていた。

歌って歌って歌い疲れず。
少女は歌うことを止めないで。
とうにつぶれた筈の喉、何故か未だ歌っていた。
声の限り歌ったら、聞こえてくるのは数々の歌。


「誰か私に歌をください、どうかお願い」


歌って歌って歌い続けて。
少女はやっと、解き放たれた。

この作品にはライセンスが付与されていません。この作品を複製・頒布したいときは、作者に連絡して許諾を得て下さい。

叫ぶ少女の物語

ブツその2。

…だからどうしてこうなったんだ私…。

もっと見る

閲覧数:178

投稿日:2012/10/13 19:58:27

文字数:536文字

カテゴリ:歌詞

オススメ作品

クリップボードにコピーしました