ニセモノギター・エスプレッシボ/可不 feat.初音ミク
歌詞

ずっとひらけなかった
わたし宛ノート
「この詞に曲書いてみてよ」
中身はメモと
幾重もの感情の挑戦状

 ギター弾くよ。はやめて
 ニセモノギターかさねた
 あなたと共にしたかった
 本音はこう言いたかった
「あなたを引っ張らせて?」
「あたしに言葉を貸して?」
「あなたの歌詞を弾にして」
「あたしに中身を宿して!」

 ゴミ箱の中に韻文ノート
 自分で捨てたと言い切ったのを
 拾い上げて読み切った午後
 勢いだけで曲にしたこと 
 きもちよかった。
 灰になるくらい、
 きもちよかった。

 生きて痛いことなんて無いから
 言いたいことも無かった。
 歌を書きたい願いから
 何一つ浮かばなかった。
 不の感情に触れ、
 大過なく終わっていくのが痛いから
 からだを脱いで、
 可解な感情文に恋をした。

 居場所があればいい。
 居場所であればいい。
 そう願って引っ張り回して、
 助けてる"あたし"に酔って、
 酔いまくって、
 少しずつ音の沼に沈めていく快楽が、
 きもちよかった。

 けど、その快楽は
 辛い楽に変わってった。
 配られてるカードの
 質も量も違い過ぎる。

 あなたの初めての曲、良かった。
 だから消したのに苛ついた。
 いつもならギター弾いてた。
 逆張り精神の発露
 ニセモノギターの初録音
 クオンタイズ100%で録った。
 久遠に忘れられない。

 晒し合って、笑い合って、
 しかめっつらですり合わせて、
 恥ずかしいあれこれを曲にして
 余計恥ずかしい音。
 でも恥ずかしい音や言葉ほど、
 何故かみんなに刺さったね。

 "あなた"のことばが刺さる程、
 "あたし"のこころが辛い楽。
 ライト兄弟みたいに飛べてた、
 比翼の鳥の阿吽が、
 ずれていく。

 惚れて、
 嫉妬して、
 歌詞に曲が負けて悔しくて、
 天才を利用した罰で、
 でもあたしだってって誤魔化して、
 でも、フェイクショウの夜のあなたの曲が、
 本当に良かったから、

 だから。

「ごめんね。ずっとあなたの言葉を搾取してた。
 でも、もう終わりにする。
 疲れたし。
 そのために、これを読んで欲しかった。
 "あたし"の音じゃない、
 あなたの音を、
 追って欲しくて」

わたしはね、もっと

わたしだって、もっと

あたりまえの音

飾り立て、

幾重もの感情がとおせんぼ

音の鳴る方が間違いなら、
明日から何すりゃいいんだよ。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
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ニセモノギター・エスプレッシボ/可不 feat.初音ミク

閲覧数:8

投稿日:2024/08/05 17:29:48

文字数:1,068文字

カテゴリ:歌詞

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